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黛高3/赤司高1

  • 世界の終わりに

    決勝戦、洛山敗北後の俺司と僕司です。

    ジャンプラ引退式の衝撃。
    黒バスにおいて、「赤司が洛山でしてきたバスケ」に対する自分の想いを告げるシーンを唯一作者様から与えられたのが、誰あろう黛千尋です。
    非人道的なプレイヤーの使い捨て駒扱い、その残酷な仕打ちを最もわかりやすい形で受けた男、黛千尋。

    よりによってその男から出た言葉が、「悪くなかったよ。おかげさんでな」。彼がバスケを辞めた日にそんな言葉を言ったんですよ。
    赤司に気負わせるほど大げさでもなく押しつけがましくもなく嘘くさくもなく、4月の屋上で出逢ったあの時とまったく変わらない彼らしい皮肉さでそう言って笑ってみせたわけです。僕司くんが俺司くんを守るために歯を喰いしばって頑張ってきたこと、仲間を傷付けてまで勝利を欲し必死に自分の居場所を守って来たこと、あれもこれも雑にぜんぶまとめて言った言葉が「悪くなかったよ。おかげさんでな」

    他の誰が言ってもこれほどに赤司を救いはしなかった。あの引退式の日に黛千尋が言う「おかげさんでな」だからこその究極の魔法です。このたった7文字が赤司征十郎をある意味で赦し、認め、肯定し、慰め、労い、解放した。ついでに掻っ攫っていった…
    「☆OKAGESANDENA―――」この神がかりめいたセリフが原作者様発信の純度100億%公式だってことがもう、黛千尋、キセキを手にした奇跡の男としてラノベの使者殿堂入りです(?)

    おっとついつい熱くなっちまったな。おかげさんでなは用法容量を守って正しく使わねぇといけないぜ。
    それにしても俺司と僕司の会話、書くの超絶楽しかったです。また書きたいですがなかなか書く機会がない。かわいいね。

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  • 天帝ルート

    はじめて書いた黛赤です。
    「おかげさんでな」爆弾を投下されたあと、「赤司くんが問答無用で黛さんの部屋に押しかける」という100番煎じくらいのネタがなんとなくずっと頭にあって、まぁ一応形にしてスッキリさせておこうか~と書き始めたんですが、まさかそこから書いても書いても次の話が出てきていつまで経っても終わらない事態に陥るなんて思いもしませんでした。どんなトラップよ
    入り口がおかげさんでな!☆っていう軽いフラットなノリなのに足を踏み入れたらそこは沼どころじゃなかった。ただの恋する高校生がそこにいた。孤高の天帝とマイペースな凡人の恋物語。青春(ラノベ)ですよ、そんなの。ずるい。
    書く直前まで左右も特に考えておらずCPですらなく、あくまで戦友、呪縛の解かれた先輩後輩、ブロマンスにもならない、関係性ももっとさっぱりした爽やかな感じで「この2人意外と気の合った親友になるかもね」という健全な匂わせ程度で終わるつもりだったんです。
    でも思った以上に赤司くんは黛さんにメロっていたし、黛さんは赤司くんに落ちるのが引くほど速かった。

    一回で終わる気満々で書いたわりに、その後延々と書き続けることになる脳内黛赤シリーズの基軸となる要素がこの一作にすべて詰め込まれているなぁと思います。描きたいものは基本ずっと同じなんだろうな。

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  • 天帝の傷痕

    2つ目に書いた黛赤です。
    「天帝ルート」を書いてる途中からすでにモリモリ湧き上がっていた色々なセリフ、シチュ等を精査もせず全て突っ込んだごった煮みたいだなと自分で思います。カプにはまりたての時しか書けないやつだな~と思いますが、そのノリと勢いだけの向こう見ずな感じが不思議と「え、好きかも…」「やだ、両思いかも…」と徐々に理性を失い距離を縮めていく恋愛初心者の不器用さ、未熟さとシンクロしている感じもします(いいように言った)。

    余談ですが冒頭の「急いで走ってきたんですか?」と赤司くんが黛さんに尋ねるシーン、当初は「んなわけねぇだろ」云々と突っぱねる黛さんを書いていたんですがそこからびっくりするほど先に進まず、多分「突っぱねる」というのは自分の思い込みでありこの話の黛さんはそうじゃないんだなと思い頭を無にして書き直しました。そしたら「悪いかよ」と開き直ったうえにキレていたので、よくわかりませんがとにかく「あ~~~なるほど~~~」という気持ちになった記憶があります。
    地味なエピソードですが、(自分の脳内の)黛千尋という男をなんとなく理解した瞬間でした。そしてそういう黛にキュンとする(自分の脳内の)赤司征十郎。なるほどね?

    さらに余談ですが運動部の男子高校生にポトフはないよな、と思います。ごめんよ。

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  • いねむり

    IGショップから発売された「いねむりシリーズ」のせいで生まれたノリだけのお話です。なんですかあれは。私はあの情報をTwitterで見た時ハヤシライスを作っていたんですがあまりの事態に正気を失いお鍋を焦がして火災報知機を鳴らしてしまいました(実話)(本当に気を付けます)。
    なんだあれは。なんだあれは。2021年の今でも思う。なんだあれは。

    ここからすでに赤司の脚好き黛さんのフェチ感が滲み出ている
    気がする

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  • 「ゆ」

    同人誌「黛赤ゲームオーバー」内で書き下ろした短編です。
    無料配布で書き下ろし、後日pixivに上げた「恋心、ひとカケラ」と裏表で繋がっている内容なので、全文ではありませんが仕掛けがわかる部分だけ公開しました。
    お気が向けば「恋心、ひとカケラ」と合わせて読んでやってください。

    ちなみにカレーにお味噌汁???という方も多いのかなと思いますが、黛さんがいついかなる食事時も赤司くんのお味噌汁は絶対飲みたいマンなので合う合わないは関係なく赤司くんは基本的にお味噌汁は作るのです。
    チョコもいいけどママレードジャムとかも良きですね。

    空腹時のカレーの匂いってやばい

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  • かぐや姫

    黛赤というカプのごく身近に、レオ姉という存在がいることの幸運と奇跡。
    赤司征十郎、黛千尋各個人のことを知っている。2人の関係性や距離感をそばで見ている。常識人でありながらジェンダー問題や同性愛にも一家言ある(ありそう)。何より赤司征十郎を「征ちゃん」と呼ぶという母性にも近い離れ業を平然とやってのけ、尚且つ赤司を絶対的王者として誰よりも認めている。
    パーフェクトでは…?実渕怜央…生まれてきてくれてありがとう…レオ姉大好き…(もちろん無冠みんなですが…)

    私個人の肌感覚ですが、ここ数年でジェンダーに対するメディアの姿勢、扱い方が急激に変わったように感じています。この話は2015年に書いたものですが、その時は「他の言い方ないもんかな」と多少の引っ掛かりを覚えながらも普通に「オカマ」「オネェ」という呼称を使っていました。2020年に再録集を出した際これらの単語は全てやめるかどうかちょっと考えたのですが、とはいえよく知らない相手ならともかく黛さんはレオ姉に対してならそこまで繊細に気遣わないだろうし、その後赤司くん辺りに「そういった呼び方は昨今あまりいい顔はされませんね」とでも言われたら「確かにそうだな」と普通にやめるだろうなと思ったので、少し調整する程度に留めました。「ホモ」という言葉もそうですね。今後も時代によって変わっていくことはあるんだろうなぁと思います。自分なりに対応していきたいです。

    というわけでこのお話以降もレオ姉は赤司くんにも黛さんにも事あるごとに便利に頼られまくるし、なんだかんだ心配してくれるし面倒見てくれるし2人が幸せであることをいつだって願ってくれています。レオ姉いつもありがとう。黛赤の2人はレオ姉にちゃんと恩返しをすべき。

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  • 年上の男のひと

    赤司を描くうえで避けては通れない「虹村修造」という存在を始めて、よし出すぞと気合い入れて出した話です(匂わせ程度ですが)。

    自分の思う虹村という人物、虹と赤の距離、関係性、互いへの感情などは、黛赤と同じで最初からずっと変わりません。三角関係というわけではない…のですが、つくづく魅力的な関係性の3人だなぁと思います。虹村さんに対する自分の感情が下手すると黛千尋に対するそれよりクソデカ激重レベルなため、創作における虹村さんの立ち位置は他の誰よりも細心の注意を払って書いている自分がいる。
    いい意味でも悪い意味でも、今の赤司を形作った人たちの一人なんですよ。虹村修造と黛千尋…

    それにしても昔憧れてた先輩に手作りして美味しいって言ってもらったんです♡っていう料理を今彼(彼ではない)に作って出すってのもなかなかの所業だと思うので黛さんは怒ってヨシ。

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  • 出がらしですが

    自分のペースとフィールドが大事で自室大好きっ子であろう黛千尋にとって、赤司は共同生活を送れる貴重な相手なのでは???という熱い主張を随所に散りばめ匂わせまくったお話です。
    生活とは、「好き」だけではやっていけないものである。

    この「いざという時まで温存しておく征臣の最大の弱味」は、赤司くんが適当に言ってるわけではなくある局面で本当に切り札として使われることになります。いつか。そのうち。その時の話を書くかどうかは別として。私の頭の中ではそういう予定です。

    それにしてもこの話の赤司くんは黛さんの前でずいぶんカッコつけてるな~と思う。気取ってるというか、イイ子ぶってるというか、可愛い子ぶってるというか。得意なお茶を褒められて嬉しかったんだろうね多分。かわいいね。

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  • 天帝のおくすり

    2人の認識のズレが一番わかりやすい(美味しい)時期の話なのですが、もっと煮詰めて丁寧に書きたかったなぁと思わんでもないです。この時はとにかく描きたいもの、黛赤で表現したいもの、雰囲気、セリフ、設定、魅力、黒バスという世界、あらゆるものが頭の中で爆発していたので熟考している心の余裕もなく、またシリーズ自体7月から書き始め3月1日(まゆ誕)に終わらせるために暴走機関車のようになっていたので、時間の余裕もまったくなかったんですよね…まさかくっついたあとも書きたいものが湯水の如く湧き続けるとは思ってもいなかったですが…黛赤おそろしいこ

    黛さんは普通の男の子なので「魅力的に感じる相手」に対し「性的にアリかナシか」という判断基準を持ちますが、赤司くんはその辺あまり直結はしなくて黛さんに対しては「魅力的だと思う」「年上」「好き」という条件がすべてというか、それだけで充分満足でオールOKなんですよね。しかも相手もそういうものだと思っている。だから黛さんが手出してきたら「なんだこいつ????俺は男だが?????」となるわけですね。黛さん頑張って。
    恋愛感情に限らず他人との愛情の交感に関しては、赤司くんは非常に幼い部分が残ったままの人だと思っています。あくまでこの時点ではですが、虹村さんに対しても黛さんに対しても父性や兄性を求めている節があると感じます。

    とはいえ恋愛感情はこの先黛さんが一から十まで教えてくれるからね…

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  • 約束

    この恋愛戦争の勝敗は結局赤司くんの負けだと認識しているのですが、敗因は「黛千尋が赤司の想定より攻め性だった」でファイナルアンサーだと思ってます。
    まさか手を掴んでこないだろう。まさか追いかけてこないだろう。まさか俺/僕を傷付けないだろう。まさかこの男が必死になってまでこの赤司征十郎をモノにしようなどとは思わないだろう。
    自分が光で黛千尋が影である以上その関係性を凌駕してくることはあり得ない、と安心しきり、ものすごい油断して(好き放題し)た。要するに相手を雄として舐めくさっていたわけなんですが、そりゃ黛さんもイラっときて本気出すよね…というわけです。
    余裕で勝てる相手だと思ってたのにめちゃくちゃ怖くてビビリ倒しちゃった赤司くん…しっぽボワッボワ…かわいそう…(かわいい)

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