世界の終わりに

決勝戦、洛山敗北後の俺司と僕司です。

ジャンプラ引退式の衝撃。
黒バスにおいて、「赤司が洛山でしてきたバスケ」に対する自分の想いを告げるシーンを唯一作者様から与えられたのが、誰あろう黛千尋です。
非人道的なプレイヤーの使い捨て駒扱い、その残酷な仕打ちを最もわかりやすい形で受けた男、黛千尋。

よりによってその男から出た言葉が、「悪くなかったよ。おかげさんでな」。彼がバスケを辞めた日にそんな言葉を言ったんですよ。
赤司に気負わせるほど大げさでもなく押しつけがましくもなく嘘くさくもなく、4月の屋上で出逢ったあの時とまったく変わらない彼らしい皮肉さでそう言って笑ってみせたわけです。僕司くんが俺司くんを守るために歯を喰いしばって頑張ってきたこと、仲間を傷付けてまで勝利を欲し必死に自分の居場所を守って来たこと、あれもこれも雑にぜんぶまとめて言った言葉が「悪くなかったよ。おかげさんでな」

他の誰が言ってもこれほどに赤司を救いはしなかった。あの引退式の日に黛千尋が言う「おかげさんでな」だからこその究極の魔法です。このたった7文字が赤司征十郎をある意味で赦し、認め、肯定し、慰め、労い、解放した。ついでに掻っ攫っていった…
「☆OKAGESANDENA―――」この神がかりめいたセリフが原作者様発信の純度100億%公式だってことがもう、黛千尋、キセキを手にした奇跡の男としてラノベの使者殿堂入りです(?)

おっとついつい熱くなっちまったな。おかげさんでなは用法容量を守って正しく使わねぇといけないぜ。
それにしても俺司と僕司の会話、書くの超絶楽しかったです。また書きたいですがなかなか書く機会がない。かわいいね。

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