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「すまん、恩に着る」

矜持きょうじの塊みたいな統が人に頭を下げるなんて!」

「うるさい」

 まるでこの世の終わりと言わんばかりの美帆の腕をよく見ると、小さい子どもが抱かれていた。

2つか3つくらいだろう。

髪の色は似ていたが、顔立ちはそうでもなかった。

「子ども、いるのか?」

「うん、かわいいでしょ。あ、そう、お連れさん、お名前は…」

「あ…じょ元直げんちょくです。士元は学問所の後輩で」

「同じく、諸葛しょかつ孔明こうめいと申します」

「まあ、そうですか。この子の叔母の、龐美帆です。これは息子のえき、よろしくね」
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