「僕」によって「マリちゃん」を中心に語られる群像劇です。

固有名詞に一部実在のものが含まれますが、全てフィクションであり、実在の人物・地名などとは関係ありません。

「この辺りがモチーフになっているんだなあ」と、軽く読んでくださったら幸いです。

舞台は現代～近未来の主に関東地方南部ですが、話の都合上、海外も出てきます。

本作の主人公は『三国志』の英雄・曹操！…に仕えた軍師・郭嘉！…の夫人で、伝えられるところでは龐氏と呼ばれる女性です。

複数の人によって語られる彼女はどのような人だったのでしょうか？

彼女は京都の、余所より少し特権を持つ家に生まれました。

彼女は両親が年齢を重ねてから生まれた末娘だったので、蝶よ花よと慈しまれて育ちました。

小学校に上がった年に父が亡くなり、女学校に入学して間もなく姉が他家に嫁ぎ、進学のために兄が家を出て、母と2人暮らしをするようになりました。

時が流れて、幼かった彼女も身の振り方を考えなければならないときがやって来ました。

彼女はどのような路を歩いてゆくのでしょうか…。