魔女たちの仮面☩マスケラ☩【ボスキ → 主 ← アモン】
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かたかたと揺れる馬車のなか、アモンは彼女を盗み見る。
楽しそうに話すさまに、寂しさが胸に染み込んだ。
(主様……少し痩せたんじゃないっすかね)
紅をのせた唇が、言葉を紡ぐごとにひらいては閉じる。
「それで、その時ムーが………、」
ボスキと楽しそうに話すさまに、ちくりと棘が刺す。
(あの人なら大丈夫っすよ。………そうでしょう?)
ちらと彼を一瞥する。
常ならば鋭利なひかりを宿す翠玉が、彼女を映すとともに柔く解けていた。
カタン。馬車が停り、彼女は唇をかんだ。そのまま降りようとした彼女を制する。
「ある……お嬢様、私どもが先に降りますわ」
そう告げ、降り立った彼女に手を貸す。
「(ここが、女領主様のお屋敷………。)」
古風な趣きの調度品に、磨き抜かれたテーブル。
毛足の長い絨毯を踏みつけ、会場へと足音を響かせる。
室内のすべてが漆黒で統一されていた。
黒薔薇を形どった燭台で、蝋燭の仄かな灯りがゆらめく。
「参りましょう」
ふたりを従えて、受付役の女性従者に招待状をみせる。
「白樺の君、ですね。お待ちしておりました。
——どうぞ、こちらへ。まもなく主の君がおいでになりますから、」
彼女に促され、席につく。仮面をつけた貴婦人たちが、手にした扇をひらめかせていた。
楽しそうに話すさまに、寂しさが胸に染み込んだ。
(主様……少し痩せたんじゃないっすかね)
紅をのせた唇が、言葉を紡ぐごとにひらいては閉じる。
「それで、その時ムーが………、」
ボスキと楽しそうに話すさまに、ちくりと棘が刺す。
(あの人なら大丈夫っすよ。………そうでしょう?)
ちらと彼を一瞥する。
常ならば鋭利なひかりを宿す翠玉が、彼女を映すとともに柔く解けていた。
カタン。馬車が停り、彼女は唇をかんだ。そのまま降りようとした彼女を制する。
「ある……お嬢様、私どもが先に降りますわ」
そう告げ、降り立った彼女に手を貸す。
「(ここが、女領主様のお屋敷………。)」
古風な趣きの調度品に、磨き抜かれたテーブル。
毛足の長い絨毯を踏みつけ、会場へと足音を響かせる。
室内のすべてが漆黒で統一されていた。
黒薔薇を形どった燭台で、蝋燭の仄かな灯りがゆらめく。
「参りましょう」
ふたりを従えて、受付役の女性従者に招待状をみせる。
「白樺の君、ですね。お待ちしておりました。
——どうぞ、こちらへ。まもなく主の君がおいでになりますから、」
彼女に促され、席につく。仮面をつけた貴婦人たちが、手にした扇をひらめかせていた。