気高き華【ボス主 ← ベリアン & アモン】
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(あんたと生きると誓ったんだ。
俺は、こんな処で負ける訳にはいかねえ……!)
心臓が破裂しそうなほど力強く脈打っている。
すばやく息を整えながら、その唇が不敵な弧を描いた。
「おいおい……もう終わりなのか?」
刃に映るは、天使たちの濁った瞳。飛び退くように離れると、その胸を貫いて。
「主様は私の後ろへ……! 絶対に離れてはいけませんよ」
手にした槍を振り回し、その羽を壊していく。
鈍い音がして、金色の刃が翼を切り裂いた。
返り血を手の甲で拭う。
その紅玉の瞳は、常の柔いひかりを宿してはいなくて。
冷たささえ感じる眼が、すぅっと細められた。
彼らの心臓の辺りを見据え、すばやく持ち直した。
「ックソ、数が多いな……。」
思わず舌打ちが零れる。
とん、と背を合わせたアモンが、咎めるように告げた。
「ボスキさん、油断しちゃ駄目っすよ」
「あぁ、わかってる……!」
はぁ、はぁ……と荒い呼吸をくり返しながらも、刃を振るいつづける。
滴る汗が水晶の如く煌めいた。
『死になさい。命のために』
天使たちはどこまでも愚直だ。
その光なき眼が、一斉に彼女へと向けられる。
(まずい……!)
「ベリアンさん! 主様を……!」
『頼む』。その言葉は儚くも消え去った。
「きゃああぁっ!」
村娘をかばった彼女が、その肩を貫かれたのだ。
ぽた、ぽた、とその頬に落ちる、涙の雫のような鮮血。
「ヴァリス……!」
茉白のドレスを汚す、紅。倒れかけた彼女を抱き留めたのは。
「主様、………主様!」
真っ青な顔で、彼女を呼びつづけるベリアン。
頬にふれても、その瞼は震えるだけで………。
「っボスキさん!」
「あぁ、さっさと終わらせるぞ……!」
俺は、こんな処で負ける訳にはいかねえ……!)
心臓が破裂しそうなほど力強く脈打っている。
すばやく息を整えながら、その唇が不敵な弧を描いた。
「おいおい……もう終わりなのか?」
刃に映るは、天使たちの濁った瞳。飛び退くように離れると、その胸を貫いて。
「主様は私の後ろへ……! 絶対に離れてはいけませんよ」
手にした槍を振り回し、その羽を壊していく。
鈍い音がして、金色の刃が翼を切り裂いた。
返り血を手の甲で拭う。
その紅玉の瞳は、常の柔いひかりを宿してはいなくて。
冷たささえ感じる眼が、すぅっと細められた。
彼らの心臓の辺りを見据え、すばやく持ち直した。
「ックソ、数が多いな……。」
思わず舌打ちが零れる。
とん、と背を合わせたアモンが、咎めるように告げた。
「ボスキさん、油断しちゃ駄目っすよ」
「あぁ、わかってる……!」
はぁ、はぁ……と荒い呼吸をくり返しながらも、刃を振るいつづける。
滴る汗が水晶の如く煌めいた。
『死になさい。命のために』
天使たちはどこまでも愚直だ。
その光なき眼が、一斉に彼女へと向けられる。
(まずい……!)
「ベリアンさん! 主様を……!」
『頼む』。その言葉は儚くも消え去った。
「きゃああぁっ!」
村娘をかばった彼女が、その肩を貫かれたのだ。
ぽた、ぽた、とその頬に落ちる、涙の雫のような鮮血。
「ヴァリス……!」
茉白のドレスを汚す、紅。倒れかけた彼女を抱き留めたのは。
「主様、………主様!」
真っ青な顔で、彼女を呼びつづけるベリアン。
頬にふれても、その瞼は震えるだけで………。
「っボスキさん!」
「あぁ、さっさと終わらせるぞ……!」