あなたと紡いだ時間たち【All Characters ✉】
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「皆……お待たせ」
彼女が姿をみせると、皆一様に華やいだ顔になった。
微笑みを浮かべて彼女をみつめている。
「主様、座ってください! オレ……主様のために頑張ったんです」
そう言って椅子を引いてくれるロノ。
「わぁ……っ!」
思わず感嘆を洩らす。
ガーベラの花で飾られたテーブルに、彼女が好きな食べ物を並べられ。
お揃いの色彩のクロスに、食堂内の至るところで咲き誇る花。
その華やかな香りを吸い込んで、彼女は微笑んだ。
(ガーベラ……この世界だと手に入りにくいって聞いていたのに、それでも用意してくれたんだ)
じんわりと、温もりが広がる胸の内。
「ねぇ……皆も一緒に」
そう言って一同をふり返る。
「宜しいのですか?」
真意を訊ねたのはハウレス。
「勿論だよ。それに……誕生日は大勢で過ごすものでしょう?」
ふわりと微笑むと、そのおもてに朱が集う。
「では……失礼いたします」
優雅に一礼して、皆が椅子にかけていく。
「主様、………これを」
フルーレが微笑んで、胸の前に掲げていた箱を渡してくる。
「ありがとう」
笑みをのせて受取り、リボンを解く。
「素敵………。」
中身はドレスだった。
薄桃色の地に、大きくひらいた襟ぐりには白薔薇が飾られている。
スカート部分は三段に切り替えられ、裾に縫い込まれた水晶の粒やスパンコールが煌めく。
揃いの靴と髪飾り。
シンプルな意匠であるのに、
砂糖菓子のような甘さの滲むそのドレスに、彼女はただ見惚れるばかりだった。
「……俺たちからだ」
「手を出してくれ」と告げられ、そろえて出した掌に、小さな包みが落とされる。
丁寧にラッピングをひらくと。
「綺麗………。」
中身は香油だった。小瓶を傾けると、とろりとした液が灯りを反射して煌めく。
「ガーベラの香りの香油っすよ」
微笑むアモンが説明してくれる。
「主様、………主様! ボク達からもどうぞ!」
無邪気に微笑って、ラムリが手渡してくる。
中身は日記帳だった。
表紙は重厚な黒絹張りで、
ひらくと蔓薔薇を型どった罫線が引かれており、ただ眺めるだけでも楽しかった。
彼女が姿をみせると、皆一様に華やいだ顔になった。
微笑みを浮かべて彼女をみつめている。
「主様、座ってください! オレ……主様のために頑張ったんです」
そう言って椅子を引いてくれるロノ。
「わぁ……っ!」
思わず感嘆を洩らす。
ガーベラの花で飾られたテーブルに、彼女が好きな食べ物を並べられ。
お揃いの色彩のクロスに、食堂内の至るところで咲き誇る花。
その華やかな香りを吸い込んで、彼女は微笑んだ。
(ガーベラ……この世界だと手に入りにくいって聞いていたのに、それでも用意してくれたんだ)
じんわりと、温もりが広がる胸の内。
「ねぇ……皆も一緒に」
そう言って一同をふり返る。
「宜しいのですか?」
真意を訊ねたのはハウレス。
「勿論だよ。それに……誕生日は大勢で過ごすものでしょう?」
ふわりと微笑むと、そのおもてに朱が集う。
「では……失礼いたします」
優雅に一礼して、皆が椅子にかけていく。
「主様、………これを」
フルーレが微笑んで、胸の前に掲げていた箱を渡してくる。
「ありがとう」
笑みをのせて受取り、リボンを解く。
「素敵………。」
中身はドレスだった。
薄桃色の地に、大きくひらいた襟ぐりには白薔薇が飾られている。
スカート部分は三段に切り替えられ、裾に縫い込まれた水晶の粒やスパンコールが煌めく。
揃いの靴と髪飾り。
シンプルな意匠であるのに、
砂糖菓子のような甘さの滲むそのドレスに、彼女はただ見惚れるばかりだった。
「……俺たちからだ」
「手を出してくれ」と告げられ、そろえて出した掌に、小さな包みが落とされる。
丁寧にラッピングをひらくと。
「綺麗………。」
中身は香油だった。小瓶を傾けると、とろりとした液が灯りを反射して煌めく。
「ガーベラの香りの香油っすよ」
微笑むアモンが説明してくれる。
「主様、………主様! ボク達からもどうぞ!」
無邪気に微笑って、ラムリが手渡してくる。
中身は日記帳だった。
表紙は重厚な黒絹張りで、
ひらくと蔓薔薇を型どった罫線が引かれており、ただ眺めるだけでも楽しかった。