今宵はふたりで【過去作派生中編 🤍 → 主 ← 🐾 、♟️】
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その夜、ひたひたと音を忍ばせて、ナックは屋敷の外を警護していた。
「(さて、………今宵の輩は、)」
手にした一対のオノの刃が月光を反射してキラリと光る。
夜目の効く辰砂とラピスラズリの互い違いの色彩の双眸を巡らせれば、夜の森の茂みが揺れた。
「!」
吐息さえも厭いながら近づき、その首元にオノの切っ先を向ける。
「あなた………ただのネズミじゃなさそうですね。
一体何処の手の者です?」
夜の闇のなかで殊更に煌めく、互い違いの色彩の双眸。
ナックはすぅっとその両眼を眇めた。
「……………。」
彼を強く睨み付けるアメジストの双眸。ナックはその顎を掴んで上向かせた。
「当ててご覧に入れましょうか」
微笑んだ唇がその名を紡ぐ。
「あなたはアンリリス伯爵家の従者ですね?」
彼はナックの指を払うとその唇をひらいた。
「我が主がヴァリス殿にこれをと」
そう言って懐から封筒を取り出す。ナックは彼を探るように見つめた。
「これを届けに来ただけならば、何故主様のことを探っていたのです?」
その瞳に仄かな警戒の色を滲ませて告げる。
すると彼は口角をつり上げた。
くすくすと嗤いながら、夜の闇に紛れるようにして消えてしまう。
「いない……?」
ぐっと眼を凝らしても、その影すら視えない。
ナックはローブを翻しながら唇を噛みしめた。
「夜が明けたら知らせなくては」
夜空を仰げば、尖った眉月が空を統べる。
不吉な程煌々と照らす月に、胸のなかの混沌がどうしようもなく膨れ上がっていた。
「(さて、………今宵の輩は、)」
手にした一対のオノの刃が月光を反射してキラリと光る。
夜目の効く辰砂とラピスラズリの互い違いの色彩の双眸を巡らせれば、夜の森の茂みが揺れた。
「!」
吐息さえも厭いながら近づき、その首元にオノの切っ先を向ける。
「あなた………ただのネズミじゃなさそうですね。
一体何処の手の者です?」
夜の闇のなかで殊更に煌めく、互い違いの色彩の双眸。
ナックはすぅっとその両眼を眇めた。
「……………。」
彼を強く睨み付けるアメジストの双眸。ナックはその顎を掴んで上向かせた。
「当ててご覧に入れましょうか」
微笑んだ唇がその名を紡ぐ。
「あなたはアンリリス伯爵家の従者ですね?」
彼はナックの指を払うとその唇をひらいた。
「我が主がヴァリス殿にこれをと」
そう言って懐から封筒を取り出す。ナックは彼を探るように見つめた。
「これを届けに来ただけならば、何故主様のことを探っていたのです?」
その瞳に仄かな警戒の色を滲ませて告げる。
すると彼は口角をつり上げた。
くすくすと嗤いながら、夜の闇に紛れるようにして消えてしまう。
「いない……?」
ぐっと眼を凝らしても、その影すら視えない。
ナックはローブを翻しながら唇を噛みしめた。
「夜が明けたら知らせなくては」
夜空を仰げば、尖った眉月が空を統べる。
不吉な程煌々と照らす月に、胸のなかの混沌がどうしようもなく膨れ上がっていた。
