砂糖菓子の鳥籠 Ⅱ 【君という名の鳥籠 予告中編 ♟】
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「———様……!」
………どのくらい、眠っていたのだろうか。
かすかに霧中から解放された思考で、ルカスの声をとらえる。
「目を覚ましてください、主様……!」
自分は、彼に抱き留められているのだろうか。
ゆっくりと瞼をひらき、ぼんやりと霞がかる瞳を巡らせた。
「ここは……。」
そして、周囲の景色に意識が完全に覚醒する。
見慣れたロイヤルレッドの壁紙に、重厚な額縁に彩られた絵画。
木作りのラックには今まで彼らと訪れた地の思い出の品———水の都ヴェリスのブレスレットや、
リボンの飾られた黒猫耳のテディベアのぬいぐるみが飾られている。
デビルズパレスの自分の部屋だ。
彼女の傍らには未だ眠ったままのナックが寝息を立てている。
いくら揺すっても起きない彼にそのおもてが強張った。
「なん、で……。」
染みのように広がる困惑が胸の内を満たしていく。
(全部、夢だったというの……?)
「私も、どうして帰ったのか全く分からないのです」
ベリアンの声にボスキが頷く。その眼が彼女をとらえた。
「主様、………あの時何が遭ったか思い出せるか?」
言われるままに記憶の箱を探って、そしてある感覚に気づいた。
「っ………!」
痛む脳髄が重くその身を支配して、何一つ思い出せない。
まるで邪な魔法にかけられているかのように、記憶を手繰ろうとすればするほど頭の奥が軋んだ。
………どのくらい、眠っていたのだろうか。
かすかに霧中から解放された思考で、ルカスの声をとらえる。
「目を覚ましてください、主様……!」
自分は、彼に抱き留められているのだろうか。
ゆっくりと瞼をひらき、ぼんやりと霞がかる瞳を巡らせた。
「ここは……。」
そして、周囲の景色に意識が完全に覚醒する。
見慣れたロイヤルレッドの壁紙に、重厚な額縁に彩られた絵画。
木作りのラックには今まで彼らと訪れた地の思い出の品———水の都ヴェリスのブレスレットや、
リボンの飾られた黒猫耳のテディベアのぬいぐるみが飾られている。
デビルズパレスの自分の部屋だ。
彼女の傍らには未だ眠ったままのナックが寝息を立てている。
いくら揺すっても起きない彼にそのおもてが強張った。
「なん、で……。」
染みのように広がる困惑が胸の内を満たしていく。
(全部、夢だったというの……?)
「私も、どうして帰ったのか全く分からないのです」
ベリアンの声にボスキが頷く。その眼が彼女をとらえた。
「主様、………あの時何が遭ったか思い出せるか?」
言われるままに記憶の箱を探って、そしてある感覚に気づいた。
「っ………!」
痛む脳髄が重くその身を支配して、何一つ思い出せない。
まるで邪な魔法にかけられているかのように、記憶を手繰ろうとすればするほど頭の奥が軋んだ。