今宵は貴方と【ハウレス ⇋ 主 ← ボスキ & アモン ✉】
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向かった先は屋敷の外の森だった。ランタンを片手に、彼女の手を引いていく。
「どこへ連れていってくれるの?」
繋いだ手から伝う、彼女の怯えと温もり。
「それは着いてからのお楽しみだ」
彼は微笑って、森のなかを進むばかり。
やがて、ふたりはひらけた場所に来ていた。
「着いたぞ」
「わぁ………っ!」
思わず感嘆を上げた。
そこは、美しい湖のほとり。
きらきらと月の光を反射する水面の下で、魚たちが気持ち良さそうに泳いでいる。
「素敵な場所………。」
はぁ……とため息とともに呟いた。
「俺の気に入りの場所だ。
一人になりたい時や、考えを整理したい時に来るようにしている。
ここで静かで、とても美しいからな」
「教えてくれたのはどうして?」
からかうように煌めく瞳。
その眼差しをみつめ、唇がカーブを描くのが自分でもわかった。
「俺を選んでほしいから……て言ったらどうする?」
この返答は予測していなかったようで、大きな瞳が驚いたように瞠目する。
「主様、俺は———。」
伸ばした手をしたたかに払われる。
「ハウ、レス……?」
冷たく眼を眇める眼差しは、いつもの彼より冷静さを欠いていた。
彼女を守るように自分の背後へと引き寄せ、ボスキを睨めつける。
「主様を連れ出すとは感心しないな」
厳しい視線をせせら嗤う。
「ふん……尾けてでも来たのかよ。それこそ褒められたことでもないくせに」
そのまま睨みあうふたりの胸に手を当てる。
「もう……! 喧嘩しないで」
「ハウレス、私が頼んだことなんだよ。だからそんなに怒らないで」
そっと微笑いかけると、その瞳がわずかな影を宿す。
「ハウレス……?」
とまどったように揺れる瞳。
「ッハ………恋人でもないあんたが嫉妬とか救えねえだろ」
その瞬間、身体が動いていた。
気づいたときには彼を殴っていた。その一撃に、ボスキが唇を歪める。
「ッチ……ハウレス………!」
「主様、帰りましょう」
強引に彼女の手をつかみ、導くように引いていく。
「ハウレス……!?」
彼女の声に気づかぬ振りをしたまま。
「どこへ連れていってくれるの?」
繋いだ手から伝う、彼女の怯えと温もり。
「それは着いてからのお楽しみだ」
彼は微笑って、森のなかを進むばかり。
やがて、ふたりはひらけた場所に来ていた。
「着いたぞ」
「わぁ………っ!」
思わず感嘆を上げた。
そこは、美しい湖のほとり。
きらきらと月の光を反射する水面の下で、魚たちが気持ち良さそうに泳いでいる。
「素敵な場所………。」
はぁ……とため息とともに呟いた。
「俺の気に入りの場所だ。
一人になりたい時や、考えを整理したい時に来るようにしている。
ここで静かで、とても美しいからな」
「教えてくれたのはどうして?」
からかうように煌めく瞳。
その眼差しをみつめ、唇がカーブを描くのが自分でもわかった。
「俺を選んでほしいから……て言ったらどうする?」
この返答は予測していなかったようで、大きな瞳が驚いたように瞠目する。
「主様、俺は———。」
伸ばした手をしたたかに払われる。
「ハウ、レス……?」
冷たく眼を眇める眼差しは、いつもの彼より冷静さを欠いていた。
彼女を守るように自分の背後へと引き寄せ、ボスキを睨めつける。
「主様を連れ出すとは感心しないな」
厳しい視線をせせら嗤う。
「ふん……尾けてでも来たのかよ。それこそ褒められたことでもないくせに」
そのまま睨みあうふたりの胸に手を当てる。
「もう……! 喧嘩しないで」
「ハウレス、私が頼んだことなんだよ。だからそんなに怒らないで」
そっと微笑いかけると、その瞳がわずかな影を宿す。
「ハウレス……?」
とまどったように揺れる瞳。
「ッハ………恋人でもないあんたが嫉妬とか救えねえだろ」
その瞬間、身体が動いていた。
気づいたときには彼を殴っていた。その一撃に、ボスキが唇を歪める。
「ッチ……ハウレス………!」
「主様、帰りましょう」
強引に彼女の手をつかみ、導くように引いていく。
「ハウレス……!?」
彼女の声に気づかぬ振りをしたまま。