月嗤歌【All Character(別邸組)♟】
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「っ!」
彼女を背に庇いながら、その鼻先に刃を向ける。
底冷えするような双眸で彼を見据えるユーハンの瞳は、燃え滾るような怒りを宿していた。
「そんなに、………そんなにその女が大切なのか?」
その薄い唇の裾を吊り上げながら嘲るように口にする。
「………は?」
意味の分からず訊き返すと、侮蔑の篭もった眼で見返す。
変わらず嘲笑うように唇を歪めながら尚も毒を放った。
「だってそうだろう?
そこの女は悪魔執事の主という肩書きしか持たないただの女だ。
そんな女をそこまで大切に想う意味が———、」
理解できないな、と紡ぐ筈だった言葉は、
ユーハンの刃がその前髪のひと房を散らしたことにより途切れる。