月嗤歌【All Character(別邸組)♟】
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「それでは立ってください、アリエ様」
巻き尺を手にしたレビが近づいてくる。
素直に従う彼女に、昏い笑みを湛えた彼が呟いた。
「猿芝居は辞めにしませんか、『ヴァリス』殿」
「!?」
身動いだ彼女の身体を抱き留めて、にこ、にこ、と笑って見せる。
けれどその瞳は全く笑んでおらず、染みのように広がる怯えがヴァリスの内を満たした。
「っ何を言うのかしら」
そう告げるけれど、わずかに声が上擦ってしまう。
そんな彼女の姿を見てすぅっとその瞳がひらかれた。
「まだ続けると? まぁ……俺にとってはどちらでもいい事ですが」
指が伸びてきてその唇をなぞってくる。
温もりなど微塵も感じられない、冷えた指の感触に、びくりとその身を震わせてしまう。
「あぁ……その眼………。わざわざ貴族どもに売りつけた甲斐があるというものだ」
その声の裏面を知る術もなく視界が廻る。
気づけば彼に押し倒されていた。
霞むような恍惚の霧を纏った瞳のなかに、一杯いっぱいに瞳をみひらく自分の姿があった。
「何を———っっ!」
紡ごうとした唇は、その眼をみた途端声を喪う。
ヴァリスは恐怖と驚きで瞠目した。
その瞳の先で、レビの両眼の色彩は、先刻までの互い違いの色ではなく———。
右目が、左目と同一の紅に変貌っていたのだから!
巻き尺を手にしたレビが近づいてくる。
素直に従う彼女に、昏い笑みを湛えた彼が呟いた。
「猿芝居は辞めにしませんか、『ヴァリス』殿」
「!?」
身動いだ彼女の身体を抱き留めて、にこ、にこ、と笑って見せる。
けれどその瞳は全く笑んでおらず、染みのように広がる怯えがヴァリスの内を満たした。
「っ何を言うのかしら」
そう告げるけれど、わずかに声が上擦ってしまう。
そんな彼女の姿を見てすぅっとその瞳がひらかれた。
「まだ続けると? まぁ……俺にとってはどちらでもいい事ですが」
指が伸びてきてその唇をなぞってくる。
温もりなど微塵も感じられない、冷えた指の感触に、びくりとその身を震わせてしまう。
「あぁ……その眼………。わざわざ貴族どもに売りつけた甲斐があるというものだ」
その声の裏面を知る術もなく視界が廻る。
気づけば彼に押し倒されていた。
霞むような恍惚の霧を纏った瞳のなかに、一杯いっぱいに瞳をみひらく自分の姿があった。
「何を———っっ!」
紡ごうとした唇は、その眼をみた途端声を喪う。
ヴァリスは恐怖と驚きで瞠目した。
その瞳の先で、レビの両眼の色彩は、先刻までの互い違いの色ではなく———。
右目が、左目と同一の紅に変貌っていたのだから!