砂糖菓子の鳥籠 Ⅱ 【君という名の鳥籠 予告中編 ♟】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(ち、近い)
「ナック、いったん私を離してみよう?」
紅くなってじたばたと身動ぐヴァリスに微笑んで、さらにその身を引き寄せる。
「なんだ、恥じらっているのか? ………ならやめない」
それより一緒に眠ろうぜ、とさっさと瞼を下ろす彼にヴァリスは困り果てた。
彼の腕のなかにいるのはなんだか落ち着かなくて、ばし、ばし、と半ばしたたかにその背に手を打ち付ける。
「うん、………あのね。ナック、いったん私を抱きしめるのをやめてみようか」
すう、………すぅ。頭上から聴こえてくる寝息に困ったように眉を下げた。
「もう……。」
抵抗を諦めたヴァリスはそっと彼の胸に身を寄せる。
起こさぬように気をつけながら、自分を抱きしめたまま眠る彼のおもてを見上げた。
「すぅ、………すぅ」
穏やかな寝息にすべての惑いが融けていき、もう一度指を伸ばして彼の頭を撫でた。
「おやすみ、ナック」
指にふれた巻き毛はさらりとしていて艶やかで、心做しかその表情は安らぎを感じているように視えた。
トク、………トクッ、と彼の規則正しい生者の証を聴いていると、
みずからの瞼も重くなってくる。
(起きたら、……皆に………、)
眠りに落ちていく寸前、誰かの呼び声が聴こえた気がした。
「ナック、いったん私を離してみよう?」
紅くなってじたばたと身動ぐヴァリスに微笑んで、さらにその身を引き寄せる。
「なんだ、恥じらっているのか? ………ならやめない」
それより一緒に眠ろうぜ、とさっさと瞼を下ろす彼にヴァリスは困り果てた。
彼の腕のなかにいるのはなんだか落ち着かなくて、ばし、ばし、と半ばしたたかにその背に手を打ち付ける。
「うん、………あのね。ナック、いったん私を抱きしめるのをやめてみようか」
すう、………すぅ。頭上から聴こえてくる寝息に困ったように眉を下げた。
「もう……。」
抵抗を諦めたヴァリスはそっと彼の胸に身を寄せる。
起こさぬように気をつけながら、自分を抱きしめたまま眠る彼のおもてを見上げた。
「すぅ、………すぅ」
穏やかな寝息にすべての惑いが融けていき、もう一度指を伸ばして彼の頭を撫でた。
「おやすみ、ナック」
指にふれた巻き毛はさらりとしていて艶やかで、心做しかその表情は安らぎを感じているように視えた。
トク、………トクッ、と彼の規則正しい生者の証を聴いていると、
みずからの瞼も重くなってくる。
(起きたら、……皆に………、)
眠りに落ちていく寸前、誰かの呼び声が聴こえた気がした。