砂糖菓子の鳥籠 Ⅰ【君という名の鳥籠 予告中編 ♟】
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「ですが……貴方たちのお身体のためにも、そろそろ勝敗を決めましょうか。
………おふたりとも、立てますか?」
カレッセン公が立ち上がると、ふらつきながらもふたりも続く。
それから誰も唇をつけていないグラスにワインを注がせた。
「エーファン、このグラスをそちらのテーブルに置いてくれ」
「はい、旦那様」
主人の手からグラスを受け取り、静かにローテーブルに置く。
「あちらのグラスを先に手にしたほうが勝ちです。
勿論途中で転んだり、ふらついたら失格としますよ」
「さぁ……! 準備はよろしいでしょうか? エーファン、」
「畏まりました。皆様、僭越ながら私が合図を出させていただきます。
………さん……………、」
「に……………。」
「いち……!」
パン、と家令の手が打ち鳴らされる。
さっと歩みをはじめた途端、その長身が傾いた。
まるで見えない手に引っ張られているかのように重心が傾きバランスを崩す。
二歩三歩と進まぬうちに、ふたりは転倒した。
「ふたりとも、大丈夫……?」
ヴァリスが水の入ったグラスを渡してくれる。
「さて、勝者は私となりました。なかなかよい勝負でしたね。
次の勝負については、明日、また新しいものを考えることにいたしましょう」
ヴァリスはゆっくりと瞬きをした。
「それでは……また次の機会を与えてくださるのですか?」
「与えない、と言ったらみなさんは帰ってしまうでしょうからね。
先ほど言ったように、私は退屈しているのです。
貴方がたの滞在は私によい刺激を与え、無聊を慰めてくれる。
若いみなさんとこうして賑やかな夜を過ごすことは楽しいことだ……、
そのお礼に貴女のお望みの土産を渡すことも、まぁ、考えないことはありませんよ」
………おふたりとも、立てますか?」
カレッセン公が立ち上がると、ふらつきながらもふたりも続く。
それから誰も唇をつけていないグラスにワインを注がせた。
「エーファン、このグラスをそちらのテーブルに置いてくれ」
「はい、旦那様」
主人の手からグラスを受け取り、静かにローテーブルに置く。
「あちらのグラスを先に手にしたほうが勝ちです。
勿論途中で転んだり、ふらついたら失格としますよ」
「さぁ……! 準備はよろしいでしょうか? エーファン、」
「畏まりました。皆様、僭越ながら私が合図を出させていただきます。
………さん……………、」
「に……………。」
「いち……!」
パン、と家令の手が打ち鳴らされる。
さっと歩みをはじめた途端、その長身が傾いた。
まるで見えない手に引っ張られているかのように重心が傾きバランスを崩す。
二歩三歩と進まぬうちに、ふたりは転倒した。
「ふたりとも、大丈夫……?」
ヴァリスが水の入ったグラスを渡してくれる。
「さて、勝者は私となりました。なかなかよい勝負でしたね。
次の勝負については、明日、また新しいものを考えることにいたしましょう」
ヴァリスはゆっくりと瞬きをした。
「それでは……また次の機会を与えてくださるのですか?」
「与えない、と言ったらみなさんは帰ってしまうでしょうからね。
先ほど言ったように、私は退屈しているのです。
貴方がたの滞在は私によい刺激を与え、無聊を慰めてくれる。
若いみなさんとこうして賑やかな夜を過ごすことは楽しいことだ……、
そのお礼に貴女のお望みの土産を渡すことも、まぁ、考えないことはありませんよ」