砂糖菓子の鳥籠 Ⅰ【君という名の鳥籠 予告中編 ♟】
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「次はナックだよ、………座って」
ぱし、ぱし、とルカスの背に軽く手を打ち付けて、椅子から立つよう促す。
素直に従う彼と立ち替わるようにして、ナックが腰を下ろした。
「大丈夫? 痛くない?」
すっ、すっ……と櫛りながら、鏡ごしに微笑いかける。
綻んだ唇は、みずからの眼にも楽しそうに視えた。
「大丈夫ですよ。寧ろ心地よいくらいです」
鋭利なひかりを放つ瞳が、微笑を湛えるとともに柔らかく和む。
梳き終え、「失礼します」と分け目を整える。
すっ……と近づいたり後方に一歩下がったりして確認すると、桜桃の唇に笑みをのせた。
「ボスキ、座って」
そっと腰かける彼の手から、先刻のヘアオイルを受けとり、毛先につけていく。
さらさらとした紺碧はしなやかで、蝋燭の灯りを反射して煌めくほどに艶やかだった。
「……ボスキの髪って本当に綺麗だね」
ほとんど櫛の歯が引っかかることのない、見事なまでに美しい長髪。
さらさらとした長髪を慎重に櫛っていると、ニヤリと狡猾そうな笑みを浮かべた。
「俺としては、あんたの髪のほうが好きだけどな」
左肩に流れていた青灰色をひと房もち上げ、そこに唇を押し当てる。
「………!?」
みひらく瞳。………そして、やや遅れて朱の差す目元。
「……っふ、本当にあんたは惹き付けられるな」
ぱっと手が離され、柔らかく綻ぶ薄い唇。
その視線から逃れるように髪紐を結び終えた時、軽やかなノックが響いた。
ぱし、ぱし、とルカスの背に軽く手を打ち付けて、椅子から立つよう促す。
素直に従う彼と立ち替わるようにして、ナックが腰を下ろした。
「大丈夫? 痛くない?」
すっ、すっ……と櫛りながら、鏡ごしに微笑いかける。
綻んだ唇は、みずからの眼にも楽しそうに視えた。
「大丈夫ですよ。寧ろ心地よいくらいです」
鋭利なひかりを放つ瞳が、微笑を湛えるとともに柔らかく和む。
梳き終え、「失礼します」と分け目を整える。
すっ……と近づいたり後方に一歩下がったりして確認すると、桜桃の唇に笑みをのせた。
「ボスキ、座って」
そっと腰かける彼の手から、先刻のヘアオイルを受けとり、毛先につけていく。
さらさらとした紺碧はしなやかで、蝋燭の灯りを反射して煌めくほどに艶やかだった。
「……ボスキの髪って本当に綺麗だね」
ほとんど櫛の歯が引っかかることのない、見事なまでに美しい長髪。
さらさらとした長髪を慎重に櫛っていると、ニヤリと狡猾そうな笑みを浮かべた。
「俺としては、あんたの髪のほうが好きだけどな」
左肩に流れていた青灰色をひと房もち上げ、そこに唇を押し当てる。
「………!?」
みひらく瞳。………そして、やや遅れて朱の差す目元。
「……っふ、本当にあんたは惹き付けられるな」
ぱっと手が離され、柔らかく綻ぶ薄い唇。
その視線から逃れるように髪紐を結び終えた時、軽やかなノックが響いた。