月嗤歌【All Character(別邸組)♟】
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「アリエ様、商人が到着しました。お通ししてとも宜しいでしょうか?」
ややあって、叩扉の後とらえたのはナックの声。
「お入りなさい」
その声の後、静かに扉がひらく。
彼ともに入室してきたのは、鮮烈ない色の着物を纏った青年だった。
「……アリエ様」
その瞳は、右目が血のような紅、右目は無に還るような白銀。
糸のように細めた両の眼がヴァリスを見据えた。
「お初にお目にかかります。東の大地の呉服商人をしております、レビと申します」
微笑を浮かべ挨拶する。けれどその笑みから滲み出るような胡散臭さが、
この男が食えない男なのだと予感させた。
「アリエ・グロバナーというわ」
紅に彩られた唇をひらく。
冷たい眼と瞳を合わせれば、その鋭さがましたような気がした。
「この度は、私の着物に御興味を持っていただき光栄でございます」
手にしたトランクから色とりどりの反物を取り出しながら切り出す。
「アリエ様のお好きな色は?」
にこ、にこ、と上辺は穏やかさを装った笑みを讃え問いかけてくる。
手元の反物を覗き込みながら、その眼が柔らかなかりを纏う。
「青……それから菫色かしら」
深い青の双眸が過去を懐かしむように和む。
その色を帯びた瞳にレビの視線に針が宿ったことに、ヴァリスは気づいていなかった。
ややあって、叩扉の後とらえたのはナックの声。
「お入りなさい」
その声の後、静かに扉がひらく。
彼ともに入室してきたのは、鮮烈ない色の着物を纏った青年だった。
「……アリエ様」
その瞳は、右目が血のような紅、右目は無に還るような白銀。
糸のように細めた両の眼がヴァリスを見据えた。
「お初にお目にかかります。東の大地の呉服商人をしております、レビと申します」
微笑を浮かべ挨拶する。けれどその笑みから滲み出るような胡散臭さが、
この男が食えない男なのだと予感させた。
「アリエ・グロバナーというわ」
紅に彩られた唇をひらく。
冷たい眼と瞳を合わせれば、その鋭さがましたような気がした。
「この度は、私の着物に御興味を持っていただき光栄でございます」
手にしたトランクから色とりどりの反物を取り出しながら切り出す。
「アリエ様のお好きな色は?」
にこ、にこ、と上辺は穏やかさを装った笑みを讃え問いかけてくる。
手元の反物を覗き込みながら、その眼が柔らかなかりを纏う。
「青……それから菫色かしら」
深い青の双眸が過去を懐かしむように和む。
その色を帯びた瞳にレビの視線に針が宿ったことに、ヴァリスは気づいていなかった。