今宵は貴方と【ハウレス ⇋ 主 ← ボスキ & アモン ✉】
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「はい。スロー、スロー、クイック、………クイック」
ぱん、ぱん、とラトが手を打ち鳴らすのに合わせて、ワルツのステップを踏む。
抱き寄せた彼女の身は華奢で、その腕は折れそうに儚くて。
「ストップです。
ハウレスさん、またステップがぎこちなくなっていますよ」
その指摘に苦笑を返す。
「ふむ……中々難しいんだな」
「主様、お疲れではありませんか?」
そう問いかけると。
「ううん、大丈夫……。任務のためだもん」
微笑むおもてに鼓動が跳ねる。
染まった頬を見られたくなくて、さっと視線を解いた。
「主様も少し俯きすぎです。
もっとお顔を上げて、視線を合わせたままでいてください」
『皆さん、一度休憩しましょう』。
その言葉に、フルーレのピアノが留まる。そっと鍵盤から指先を離し、微笑んだ。
「主様、喉が乾いてはいませんか? 俺……良ければ紅茶を準備いたしますよ!」
「ありがとう。じゃあ……お願いできる?」
「わかりました! 少々をお待ちください」
茶葉をはかる横で、彼女の瞳がわずかに翳る。
(主様……?)
心配になって声をかけようとしたときには、常の明るさを宿す瞳に戻っていた。
「とっておきのコツがあるんですが……聞きたいですか?」
唇に人差し指を当てると、薄い唇が弧を描く。
「勿体ぶるな、ラト」
すこしばかり咎めるように呟くと、彼の瞳が愉快そうなひかりを宿す。
「くふふ……怖いですね。では教えてあげましょう。
ワルツを踊っている間は、パートナーに恋するような気持ちで。
そうすれば、自然と優雅に踊れますよ」
そう告げ、妖しく微笑んだ。
ぱん、ぱん、とラトが手を打ち鳴らすのに合わせて、ワルツのステップを踏む。
抱き寄せた彼女の身は華奢で、その腕は折れそうに儚くて。
「ストップです。
ハウレスさん、またステップがぎこちなくなっていますよ」
その指摘に苦笑を返す。
「ふむ……中々難しいんだな」
「主様、お疲れではありませんか?」
そう問いかけると。
「ううん、大丈夫……。任務のためだもん」
微笑むおもてに鼓動が跳ねる。
染まった頬を見られたくなくて、さっと視線を解いた。
「主様も少し俯きすぎです。
もっとお顔を上げて、視線を合わせたままでいてください」
『皆さん、一度休憩しましょう』。
その言葉に、フルーレのピアノが留まる。そっと鍵盤から指先を離し、微笑んだ。
「主様、喉が乾いてはいませんか? 俺……良ければ紅茶を準備いたしますよ!」
「ありがとう。じゃあ……お願いできる?」
「わかりました! 少々をお待ちください」
茶葉をはかる横で、彼女の瞳がわずかに翳る。
(主様……?)
心配になって声をかけようとしたときには、常の明るさを宿す瞳に戻っていた。
「とっておきのコツがあるんですが……聞きたいですか?」
唇に人差し指を当てると、薄い唇が弧を描く。
「勿体ぶるな、ラト」
すこしばかり咎めるように呟くと、彼の瞳が愉快そうなひかりを宿す。
「くふふ……怖いですね。では教えてあげましょう。
ワルツを踊っている間は、パートナーに恋するような気持ちで。
そうすれば、自然と優雅に踊れますよ」
そう告げ、妖しく微笑んだ。