第4章 病魔 前編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「主様に拒まれても、キミはそうして踏み込もうとするのか」
「!」
みひらく瞳の先で、冷えた眼とかち合う。
その瞳に動揺を見止めたルカスは、ほんの少しだけ瞳を和らげた。
「時間をかけて構築するんだ。
………主様が、真の意味で我々を頼れるようになるまで」
ミヤジは手元のカップに視線を落としたまま、唇をひらかずにいる。
そんな彼にも声を紡いだ。
「ミヤジ」
その声に漸くおもてを上げる。
わずかな刃を纏ったフローライトの双眸を、ルカスはまっすぐにみつめた。
「主様がキミの心にふれても、そうして自分自身を守るのか」
みひらく瞳。
けれどそれは刹那のことで、すぐに常の厳しさを映した。
「お前には関係ないだろう」
すげなく返したが、ルカスは穏やかながらも凛然とした態度を崩さなかった。
労わるような、気遣わしげな眼差しを向けてくる。
「キミの痛みや苦しみは、きっと私には計り知れない程深いのだろう。
それでもこうして口にするのは、キミのことが心配だからだ。それに———」
厳しい視線を受け止め、一度声を止める。
そして再びひらいた唇は、思いがけない言葉を紡いだ。
「キミと主様はよく似ている。
だからこそ寄り添っていたいと———私はそう思っているよ」
「……そうか」
互いに厳しい視線を向け合う。
その間にやんわりと入ってきたのはベリアンだった。
「おふたりとも、そこまでですよ」
それぞれの胸に手を置いて、そっと引き離す。そして再度唇をひらいた。
「ありがとうございます。………おふたりのお陰で、
私は、また前を向くことができそうです」
その瞳からは先刻までの靄のような惑いが消えている。そのさまにふたりの瞳が和らいだ。
「そうか、………それならよかったよ」
「迷った時はまた三人で話し合おうか」
笑みを描く唇。
蝋燭の燈が、三人を労るようにゆらめいていた。
「!」
みひらく瞳の先で、冷えた眼とかち合う。
その瞳に動揺を見止めたルカスは、ほんの少しだけ瞳を和らげた。
「時間をかけて構築するんだ。
………主様が、真の意味で我々を頼れるようになるまで」
ミヤジは手元のカップに視線を落としたまま、唇をひらかずにいる。
そんな彼にも声を紡いだ。
「ミヤジ」
その声に漸くおもてを上げる。
わずかな刃を纏ったフローライトの双眸を、ルカスはまっすぐにみつめた。
「主様がキミの心にふれても、そうして自分自身を守るのか」
みひらく瞳。
けれどそれは刹那のことで、すぐに常の厳しさを映した。
「お前には関係ないだろう」
すげなく返したが、ルカスは穏やかながらも凛然とした態度を崩さなかった。
労わるような、気遣わしげな眼差しを向けてくる。
「キミの痛みや苦しみは、きっと私には計り知れない程深いのだろう。
それでもこうして口にするのは、キミのことが心配だからだ。それに———」
厳しい視線を受け止め、一度声を止める。
そして再びひらいた唇は、思いがけない言葉を紡いだ。
「キミと主様はよく似ている。
だからこそ寄り添っていたいと———私はそう思っているよ」
「……そうか」
互いに厳しい視線を向け合う。
その間にやんわりと入ってきたのはベリアンだった。
「おふたりとも、そこまでですよ」
それぞれの胸に手を置いて、そっと引き離す。そして再度唇をひらいた。
「ありがとうございます。………おふたりのお陰で、
私は、また前を向くことができそうです」
その瞳からは先刻までの靄のような惑いが消えている。そのさまにふたりの瞳が和らいだ。
「そうか、………それならよかったよ」
「迷った時はまた三人で話し合おうか」
笑みを描く唇。
蝋燭の燈が、三人を労るようにゆらめいていた。