第3章 捻れた現実
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
足音を立てぬよう、細心の注意を払いながら、彼女を導く。
重ねた手を引いて、廊下を進み階段を下りた。
そして、エントランスを抜け出そうとした時。
「あーーーっ! ローズくん、何処へいくのさ……!」
掃除をしていたラムリが、手にしたハタキを放り出して、こちらへと駆け寄ってくる。
「しぃっ……! ハウレスさんに見つかるでしょ」
慌てて彼の唇を覆うも、背後の影に気づかれてしまう。
「主様をひとり占めなんて、ずるいよ」
その瞳が彼女をとらえ、不満そうに淀む。
むっとしたように彼を見やる眼差しに、ヴァリスは唇をひらいた。
「あの……ラムリも一緒にいこう?」
微笑んで提案すると、途端に煌めく瞳。
「え……! いいんですか!?」
キラキラと嬉しそうに、笑みに染まるおもて。
そのさまにくすりと笑みを零しながら、さらに続けた。
「うん。私……一度この世界をみて回りたかったの。
だから案内してくれると嬉しい」
告げながら、その瞳が柔く和む。その温かさに惹き込まれた。
「いこう?」
微笑うおもてに笑みを返す。
「はい」
◆◇◆◇◆◇◆◇
揺れる馬車のなか、アモンは彼女を盗み見る。
「それで、その時ボスが——」
楽しそうに、ずっと話しているラムリに微笑いかけるおもては、
優しさが滲んでいるようで………。
紅く、艶めいた唇が、柔らかく綻んでいる。
その横顔は優しく、慈愛に満ちていて、ラムリの言葉を興味深そうに聴いていた。
重ねた手を引いて、廊下を進み階段を下りた。
そして、エントランスを抜け出そうとした時。
「あーーーっ! ローズくん、何処へいくのさ……!」
掃除をしていたラムリが、手にしたハタキを放り出して、こちらへと駆け寄ってくる。
「しぃっ……! ハウレスさんに見つかるでしょ」
慌てて彼の唇を覆うも、背後の影に気づかれてしまう。
「主様をひとり占めなんて、ずるいよ」
その瞳が彼女をとらえ、不満そうに淀む。
むっとしたように彼を見やる眼差しに、ヴァリスは唇をひらいた。
「あの……ラムリも一緒にいこう?」
微笑んで提案すると、途端に煌めく瞳。
「え……! いいんですか!?」
キラキラと嬉しそうに、笑みに染まるおもて。
そのさまにくすりと笑みを零しながら、さらに続けた。
「うん。私……一度この世界をみて回りたかったの。
だから案内してくれると嬉しい」
告げながら、その瞳が柔く和む。その温かさに惹き込まれた。
「いこう?」
微笑うおもてに笑みを返す。
「はい」
◆◇◆◇◆◇◆◇
揺れる馬車のなか、アモンは彼女を盗み見る。
「それで、その時ボスが——」
楽しそうに、ずっと話しているラムリに微笑いかけるおもては、
優しさが滲んでいるようで………。
紅く、艶めいた唇が、柔らかく綻んでいる。
その横顔は優しく、慈愛に満ちていて、ラムリの言葉を興味深そうに聴いていた。