第1章 はじまりの夜
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「ヴァリス、………ヴァリス。起きて頂戴」
ゆるく揺すられ、ぼんやりと瞼をひらく。
ほのかに霞がかる視界で捉えたのは、祖母であるフィリーザの年月を重ねた手だった。
ぱち、………ぱち、と数回瞬いて眼前を覆う霧を払う。
ゆっくりと起き上がると、まだ少しばかり眠りの余韻に身を預けている孫娘の頭を撫でてくる。
「おはよう、ヴァリス」
深いふかいアウイナイト(紺碧色の宝石。
吸い込まれるような色彩のコバルトブルーの色味のなかに
柔らかな煌めきを宿す)のたれ目がちな目元を和ませて、フィリーザは微笑みかける。
消炭色のタイのついた純白の立襟シャツに、黒曜のロングスカートを合わせている。
彼女の掌がヴァリスの頭を撫でる度に、袖口からのぞく繊細なレースがヴァリスの髪をかすめた。
シナモンの芳香に似た 彼女の所有する書斎の古書の香りと、
安らぎを感じるラベンダーの香りがする。
フィリーザが自然に纏う芳香だ。
祖母に近づく度、こうして触れられる度に薫る、どこまでも落ち着きを与える香り。
「おはようございます、おばあちゃん」
いつもの口調で返しつつ、長靴に足を収める。
窓辺へと近づいたフィリーザがすばやくカーテンをひらいた。
途端温かく、視界を茉白く染め上げる程強い陽光が降り注ぐ。
その眩い程の光に、ヴァリスは少しだけ目を細めた。
ゆるく揺すられ、ぼんやりと瞼をひらく。
ほのかに霞がかる視界で捉えたのは、祖母であるフィリーザの年月を重ねた手だった。
ぱち、………ぱち、と数回瞬いて眼前を覆う霧を払う。
ゆっくりと起き上がると、まだ少しばかり眠りの余韻に身を預けている孫娘の頭を撫でてくる。
「おはよう、ヴァリス」
深いふかいアウイナイト(紺碧色の宝石。
吸い込まれるような色彩のコバルトブルーの色味のなかに
柔らかな煌めきを宿す)のたれ目がちな目元を和ませて、フィリーザは微笑みかける。
消炭色のタイのついた純白の立襟シャツに、黒曜のロングスカートを合わせている。
彼女の掌がヴァリスの頭を撫でる度に、袖口からのぞく繊細なレースがヴァリスの髪をかすめた。
シナモンの芳香に似た 彼女の所有する書斎の古書の香りと、
安らぎを感じるラベンダーの香りがする。
フィリーザが自然に纏う芳香だ。
祖母に近づく度、こうして触れられる度に薫る、どこまでも落ち着きを与える香り。
「おはようございます、おばあちゃん」
いつもの口調で返しつつ、長靴に足を収める。
窓辺へと近づいたフィリーザがすばやくカーテンをひらいた。
途端温かく、視界を茉白く染め上げる程強い陽光が降り注ぐ。
その眩い程の光に、ヴァリスは少しだけ目を細めた。
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