第1章 はじまりの夜
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歌い終わると、吹き付ける風の温度に気づく。
それまでは気にならなかった、肌にふれる外気の冷たさに彼女はその身を震わせた。
「……くしゅ、」
吹き抜ける風の冷たさに思わずくしゃみをすると。
「主様、あまり身体を冷やしてはいけないよ」
自らの上着を脱ぎ、肩に着せかけてくれる。
紅と黒曜が半々に混ざりあった、ふわりと波打つ長髪を編み込み黒のリボンで結んでいる。
立襟とテイル部分に赤と白のストライプ柄が入り、
下襟と折り返した袖口に黒が入った茉白のジャケットに、
太腿上部に薬品の入った試験管のくくり付けられた黒曜のパンツを合わせている。
肩に羽織らせたジャケットからは、ほのかにインクと実験室の薬品の香りがした。
この人の名はたしか………ルカス。
「ごめんなさい。なんだか目が覚めてしまったの」
苦笑交じりに呟く。
ほんの少しだけ冷たくなった視線が自分の目元に集中していることに気づき、
その視線から逃れるように微笑んだ。
「ルカスはいつもこの時間まで起きているの?」
問いかけると、いえ、とその唇が弧を描く。
「眠ろうとしたら、主様が中庭へ向かう姿が見えましたので、
思わず追いかけてきちゃいました♪」
冗談とも本気ともつかぬ口調で告げながら片手を差し出す。
「………?」
戸惑いながら彼を見上げると、その笑みが深まった。
「眠れないなら……私とおいで」
優しい笑みを湛えた唇。けれど柔く解けたその瞳に、
別のなにかが過ぎったように見えたのは、彼女の気のせいなのだろうか。
それまでは気にならなかった、肌にふれる外気の冷たさに彼女はその身を震わせた。
「……くしゅ、」
吹き抜ける風の冷たさに思わずくしゃみをすると。
「主様、あまり身体を冷やしてはいけないよ」
自らの上着を脱ぎ、肩に着せかけてくれる。
紅と黒曜が半々に混ざりあった、ふわりと波打つ長髪を編み込み黒のリボンで結んでいる。
立襟とテイル部分に赤と白のストライプ柄が入り、
下襟と折り返した袖口に黒が入った茉白のジャケットに、
太腿上部に薬品の入った試験管のくくり付けられた黒曜のパンツを合わせている。
肩に羽織らせたジャケットからは、ほのかにインクと実験室の薬品の香りがした。
この人の名はたしか………ルカス。
「ごめんなさい。なんだか目が覚めてしまったの」
苦笑交じりに呟く。
ほんの少しだけ冷たくなった視線が自分の目元に集中していることに気づき、
その視線から逃れるように微笑んだ。
「ルカスはいつもこの時間まで起きているの?」
問いかけると、いえ、とその唇が弧を描く。
「眠ろうとしたら、主様が中庭へ向かう姿が見えましたので、
思わず追いかけてきちゃいました♪」
冗談とも本気ともつかぬ口調で告げながら片手を差し出す。
「………?」
戸惑いながら彼を見上げると、その笑みが深まった。
「眠れないなら……私とおいで」
優しい笑みを湛えた唇。けれど柔く解けたその瞳に、
別のなにかが過ぎったように見えたのは、彼女の気のせいなのだろうか。