shot
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私には、ヒモな彼氏がいる。
「頼む!金貸してくれ!後で倍にして返すからさ」
『それ、先週も言ってなかった?』
お決まりのセリフを言って、私の前で手を合わせてる男こそが誰にも言えない彼氏。
有栖川帝統と名乗るその男は何処からともかく現れて、私の心を奪っていったのだがそれは別の話。
「頼む!もう、お前しかいないんだよ」
この目だ。
私は、この目にやられてしまったのだ。
この、捨て犬みたいな目。結局、私が折れてしまう。この男がひもになる原因は私にあるのかもしれない。
『これで今月最後だからね。』
「サンキュー。さっすが、俺の女神様だけ有るな。絶対、次こそは勝ってくるから、安心して待ってろよな。」
そう言って、颯爽と出ていく姿は先程見た光景と同じで、デジャブ感を感じる。どうせ負けてくるのだ。
わかりきった答えにため息を付きながら途中で中断している家事に戻った。
彼が帰ってきたのはそう遅い時間ではなかった。
「...ただいま〜」
生気の無くなった声を聞くに負けてきたらしい。
負けてきたことに対して初めは文句言ってたけど言ったって次は勝ってくるわけでもないし、何回か負け続けで帰ってくる彼氏にもう半分諦めて嫌味を言うのを止めた。
『おかえり。これから夕飯作るんだけど、材料買ってきてくれない?はい、これメモ』
「おう!ここに書いてあるやつ買ってくればいいんだよな。じゃ、行ってくる」
本日3度目くらいの彼氏の見送り。
残りのお金で賭博とかして来ないといいのだけれど。不安が残るが私はおとなしく待つしかないのである。
程なくして興奮した様子で帰ってきた彼氏は乱暴にドアを開け、私の名前を叫びながら帰ってきた。
「栞!俺、やったぞ!!」
興奮が収まらい状態の彼氏は買ってきたものが入っているスーパーの袋を乱暴気味にテーブルの上に置くと私に抱きついてきた。
『え、何が?ちゃんと説明して、てか一旦落ち着いて!』
「商店街の福引で一等のハワイ旅行当てたんだよ!お前、行きたがってただろ?」
『本当に?夢とかじゃなくて?』
「当たり前だろ!本当は俺が賭博で勝ってその金で連れて行きたかったんだけどよ」
この人、覚えててくれたんだ。
ハワイに行けるっていうのも、もちろん嬉しいけど、それよりもこの賭博しか脳にないような人が私が行きたがってた所を覚えてくれてる方が嬉しい。
「なんだ?栞、嬉しくないのか?」
『嬉しいよ。有給とらないとね』
仕事休んで、この人とハワイ行けるのは嬉しい。
そういえば彼氏と旅行とか初めてかも。
「なんか、新婚旅行みたいだな」
『早いよ。まだ結婚してないし』
急に彼は黙り込み、私の顔をジッと見つめてくる。
私、顔に何かつけてるかな?まつ毛?
密着してる状態だと無駄に緊張する。
「なぁ、栞」
『は、はい。なんでしょう』
「愛してる」
変なタイミングで言ってくる所も愛おしいと思ってるって事はかなり重症なのかもしれない。
『私も、愛してるよ』
彼のスイッチが入ったのか顔が近づいてきてキスする距離になった時、彼のお腹が盛大に場をぶち壊すかのように鳴った。
『ふふっ。夕ご飯、作ろうか』
私の彼氏は駄目で、ひもで、ギャンブラーだけど頼りになる。たまにね。
そんなひもな彼に翻弄されてる私も駄目な女だ。
「頼む!金貸してくれ!後で倍にして返すからさ」
『それ、先週も言ってなかった?』
お決まりのセリフを言って、私の前で手を合わせてる男こそが誰にも言えない彼氏。
有栖川帝統と名乗るその男は何処からともかく現れて、私の心を奪っていったのだがそれは別の話。
「頼む!もう、お前しかいないんだよ」
この目だ。
私は、この目にやられてしまったのだ。
この、捨て犬みたいな目。結局、私が折れてしまう。この男がひもになる原因は私にあるのかもしれない。
『これで今月最後だからね。』
「サンキュー。さっすが、俺の女神様だけ有るな。絶対、次こそは勝ってくるから、安心して待ってろよな。」
そう言って、颯爽と出ていく姿は先程見た光景と同じで、デジャブ感を感じる。どうせ負けてくるのだ。
わかりきった答えにため息を付きながら途中で中断している家事に戻った。
彼が帰ってきたのはそう遅い時間ではなかった。
「...ただいま〜」
生気の無くなった声を聞くに負けてきたらしい。
負けてきたことに対して初めは文句言ってたけど言ったって次は勝ってくるわけでもないし、何回か負け続けで帰ってくる彼氏にもう半分諦めて嫌味を言うのを止めた。
『おかえり。これから夕飯作るんだけど、材料買ってきてくれない?はい、これメモ』
「おう!ここに書いてあるやつ買ってくればいいんだよな。じゃ、行ってくる」
本日3度目くらいの彼氏の見送り。
残りのお金で賭博とかして来ないといいのだけれど。不安が残るが私はおとなしく待つしかないのである。
程なくして興奮した様子で帰ってきた彼氏は乱暴にドアを開け、私の名前を叫びながら帰ってきた。
「栞!俺、やったぞ!!」
興奮が収まらい状態の彼氏は買ってきたものが入っているスーパーの袋を乱暴気味にテーブルの上に置くと私に抱きついてきた。
『え、何が?ちゃんと説明して、てか一旦落ち着いて!』
「商店街の福引で一等のハワイ旅行当てたんだよ!お前、行きたがってただろ?」
『本当に?夢とかじゃなくて?』
「当たり前だろ!本当は俺が賭博で勝ってその金で連れて行きたかったんだけどよ」
この人、覚えててくれたんだ。
ハワイに行けるっていうのも、もちろん嬉しいけど、それよりもこの賭博しか脳にないような人が私が行きたがってた所を覚えてくれてる方が嬉しい。
「なんだ?栞、嬉しくないのか?」
『嬉しいよ。有給とらないとね』
仕事休んで、この人とハワイ行けるのは嬉しい。
そういえば彼氏と旅行とか初めてかも。
「なんか、新婚旅行みたいだな」
『早いよ。まだ結婚してないし』
急に彼は黙り込み、私の顔をジッと見つめてくる。
私、顔に何かつけてるかな?まつ毛?
密着してる状態だと無駄に緊張する。
「なぁ、栞」
『は、はい。なんでしょう』
「愛してる」
変なタイミングで言ってくる所も愛おしいと思ってるって事はかなり重症なのかもしれない。
『私も、愛してるよ』
彼のスイッチが入ったのか顔が近づいてきてキスする距離になった時、彼のお腹が盛大に場をぶち壊すかのように鳴った。
『ふふっ。夕ご飯、作ろうか』
私の彼氏は駄目で、ひもで、ギャンブラーだけど頼りになる。たまにね。
そんなひもな彼に翻弄されてる私も駄目な女だ。
4/4ページ