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君をブランデーよりも甘く溶かしたい
R184月、桜がヒラヒラ舞う季節。
早乙女学園、高校2年生
宵崎 叶芽(かなめ)は廊下に貼ってある
掲示板の新しいクラス替えの紙をみていた。
「えっと…去年と同じクラスの人いるのかな
いてくれたらいいけど…」
ボソっ。と心の中で呟く私。
名簿をチェックしてみると…
「…あっ、また結菜と同じクラスだ。
良かった…」
誰かが私の肩をたたいてきた。
「…ひぁああ?!」
❮わたしだよ!叶芽!❭
「あ!結菜だ!今、来たの?!」
❮今、ちょうど来たとこだよ!
今年も叶芽と同じクラスなったの嬉しい
よろしくね!❭
「私もだよ!えへへ…」
❮やっぱり叶芽は笑顔がかわいいなぁ❯
「…ちょちょっとみんな見てるから…
あとで色々話したい」
❮じゃあ放課後、屋上ね❯
綾瀬 結菜(ゆうな)。
私と同じ高校2年で
去年から仲良くなった友達。
良き相談相手になってもらえるし
めちゃくちゃ信頼をよせている。
彼女とのきっかけは
ファッションやコスメの話から始まっている…
もともと人見知りな私は、
誰も相手してくれる人がいなかった。
そんな時に声をかけてくれたのが結菜。
趣味がいっしょなこともあってすぐ意気投合した。
彼女のおかげで学園生活が送れてるから
感謝している。
ほんとの私は裏と表の性格なことを
知っているのは結菜のみ。
ありのままの私を唯一認めてくれた、大事な
友達…のハズだった…
淡い何かを考えている私の前に、
幼なじみの先輩と再会する。
《久々だね、叶芽…。
ずっと会いたかったし待ってた、
キミが入学するのを。》
もともとは中学生まで陰キャだった私を
イメチェンしてくれた先輩。
《自分に自信を持つんだ、叶芽。
そしたらきっと変われる、
キミがほんとうに明るくて
優しいことを知ってるから》
切なくて甘い初恋の三角関係が始まる。。
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