二人で歌うラブソング
【個別キャラクターパート】
■拓真を選んだ場合
拓真「うっは、マジで? 僕でエエん?(ここまではテンション高く、元気に) なぁ、ほんまに?(わざと低い声で試すような声音)」
優利「姫はエエ子やって言ってるやろが」
ヒロイン、何度も頷く。
拓真「そっかー、ほんまかー」
優利「はなから疑って信用せえへんの、お前の悪い癖やぞ。姫は大丈夫や」
拓真「うっわ……マジで嬉しい。こんなん、初めてやわ……」
拓真が鼻をすする。
優利「お前っ汚っ! なんで泣いてんねん!?」
拓真「いや……こんな真剣に好きになったん、多分初めてやからさ……姫ちゃん、大切にさせてな」
優利「さーて、俺はそろそろ帰ろかな。姫、なんかあったら俺に言えよ。こいつぶん殴ったるから」
拓真「なんで僕が悪い前提やねん!? 優利くんにはそんな手間かけさせんよなー?」
ヒロイン頷く。
優利「(大笑いしてから)それもそやな。俺も、姫の相手がお前なら安心や。じゃ、また今度」
優利が部屋から出て行く。
拓真「(出て行った優利に向けて小声で)そりゃどーも。(ヒロインに改めて向き直って明るく)さ、姫ちゃん。僕のために何か歌って」
なんとか選曲を終えるも、ヒロインは恥ずかしがってなかなか歌えない。イントロが流れる。
拓真「(耳元で囁くように)なーに? 姫ちゃんは恥ずかしがりやさんなん? そんなとこもカワイー」
拓真もマイクを持って、ヒロインが選んだ女性ボーカルの淡い恋の歌を歌い始める。
歌詞に恋心というワードが来たところで、歌うのを止め、じっとヒロインが歌いだすのを待つ。
拓真「この曲選んでくれただけで、姫ちゃんの気持ちがわかったみたいで嬉しい。上手い下手なんて関係ない、姫ちゃんの“気持ち”を歌ってくれへん? それだけで僕、満足やからさ」
ヒロインが歌い始める。小さな声で始まる歌声に、拓真は嬉しそうに笑う。
拓真「やっぱ僕、姫ちゃんの全部が好きやわ。その笑顔も、断り切れん優しいところも、恥ずかしがってなかなか歌ってくれんところも、それに……その可愛い声が一番好きや」
拓真がヒロインを抱き締める。
拓真「どうか、その声はもう、僕以外には聞かせんといてや。もちろん、優利くんにもやで。(ここから小声で)くっそ、こんなん、僕……言ったことないのに……」
ぎゅっと更に抱き締める。
拓真「(耳元で)大好きやで、姫ちゃん……これからはずっと、僕の姫や」
■優利を選んだ場合
優利「(小さく笑う)そうか。嬉しい、姫」
拓真「あーあー、結局美味しいとこ取られてもた。やっぱ硬派な男はモテるんかねー。なんちゃってやぞこいつ」
優利「うるせえ。文句なし言うたやろが」
拓真「へーへー、じゃ、邪魔もんはさっさと退散しよかな。あー……優利くん」
優利「なんやな?」
拓真「優利くんなら信用出来る。姫ちゃん、幸せにしいや」
優利「何当たり前のこと言っとんねん。姫はもう俺の女や。姫の幸せは俺が守る」
拓真「……なんちゃってのくせに(少し笑いながら)。ま、安心しいや姫ちゃん。こいつ、硬派ぶったチャラ男やけど、決めたことは貫く奴やから」
優利「余計なこと言ってんと、さっさと行け」
拓真が部屋から出て行く。
しばし沈黙。
優利「……あいついなくなると一気に静かになるな。俺、あんま話自体は得意ちゃうから、正直、姫のこと退屈させるかもしれんけど、ほんまに俺でエエんか?」
ヒロインが何度も頷く。
優利「お前の動き、前から思ってたけど小動物っぽいよな。なんか、こう……」
優利がヒロインを抱き締める。
優利「守ってやりたくなる。ずっと俺の腕のなかに入れておきたい」
ぎゅっと更に強く抱かれる。
優利「出会った時からずっと、そう思てた。初対面の俺でも心配になるくらい、お前って危なっかしかったから。これからは、俺に……俺だけに守らせて?」
ヒロインは笑顔で頷く。
優利「好きや、姫。俺だけの姫になってくれて、ありがとう。大切にする」