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本棚

  • シンクロニシティ

    完結
    【あらすじ】
    舞台は、多層構造の鉄屑に空を塞がれ、太陽を忘れたサイバーパンクの街、九龍街(クーロンガイ)。

    スラムの最下層で拷問官として生きるシオンは、組織を裏切った情報屋カイムを拘束する。肉体を傷つけず、精神のみを廃人へと追い込む「神経同期デバイス」を用い、シオンはカイムの五感を仮想空間『繭(コクーン)』へと引きずり込んだ。

    『繭』の中で振るわれる仮想の暴力は、電気刺激となってカイムの脳を焼き、逃げ場のない絶望を与える。しかし、苦痛を注ぎ込み、獲物を蹂躙しているはずのシオンもまた、デバイスから逆流するカイムの戦慄と高揚に、かつてない陶酔を覚えていた。

    同期率が上昇するにつれ、二人の精神は溶け合い、どちらが「苦痛」を与え、どちらが「快楽」を享受しているのか、その境界は曖昧になっていく。

    「お前は、俺の痛みを欲しがっている」

    カイムの不敵な囁きが、シオンの傲慢な支配を侵食し始める。それは、支配者と被支配者が反転する、破滅的な依存の幕開けだった。
    降り止まぬ酸性雨のノイズに紛れ、二人の神経は、二度と引き剥がせないほど深く絡み合っていく——。

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  • 共生寄生[パラサイト・リンク]

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    ■この小説の中の概念:精神的排泄と肉体的摂取
    この世界では、強大な力(魔力、超能力、あるいは極限の知能)を持つ者は、脳内で**「精神毒(デブリ)」**を生成し続けます。これを排出できないと、自らの脳が焼き切れ、廃人となります。

    宿主(ホスト):【排出者】 社会を支配するエリート層。デブリが溜まると破壊衝動や激しい頭痛に襲われる。デブリをパラサイトに「流し込む」ことでしか正気を保てない。

    寄生(パラサイト):【吸汚者】 デブリをエネルギーに変換して生きる特異体質。しかし、デブリはパラサイトにとって「劇薬」でもあり、過剰に摂取すると高熱や幻覚、肉体の変質を引き起こす。

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    1. 「流し込み(フラッシング)」の儀式
    デブリは目に見えない精神的エネルギーですが、物理的には**「体液(精液、唾液、血液)」**を媒体としてのみ転送可能です。

    ホストは、溜まりに溜まったドロドロのデブリを、パラサイトの体内に激しく叩き込みます。

    この時、パラサイトは毒素に当てられ、脳が真っ白になるほどの「毒性の快楽」と、内臓を掻き回されるような「異物感」を同時に味わいます。

    2. 「鮮度」と「濾過能力」
    パラサイトには、デブリを無害化する**「濾過能力(キャパシティ)」があり、これがこの世界での「鮮度」**に直結します。

    若く未経験なパラサイト: 濾過能力が高く、どんなに汚濁したデブリも美味しく飲み込める「最高級品」。

    廃棄寸前のパラサイト: 長年デブリを吸い続けた結果、体内に毒が沈着し、肌にどす黒い紋様が浮かび上がった個体。濾過効率が落ち、ホストの頭痛を完全に取り除けなくなると「廃棄(デッドストック)」となり、地下の実験施設へ売られます。

    3. 精神の去勢:寄生依存(ロスト・セルフ)
    パラサイトは、ホストのデブリを吸い続けているうちに、**「ホストがいないと生きていけない体」**に作り替えられます。

    一定期間デブリを摂取しないと、パラサイトの細胞は飢餓状態に陥り、自らの肉体を溶かし始めます。

    例えホストにどれほど虐げられ、ボロボロにされても、本能が「あの汚い毒を注いでくれ」と叫び、主人に縋り付いて腰を振るようになります。

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    「共有プラグ(神経連結)」: ホストがいつでもどこでもデブリを流し込めるよう、パラサイトのうなじや性器付近に、神経に直結した「受け口」を外科手術で増設する。

    「代理排泄」: ホストの機嫌が悪い時、デブリの排出だけでなく、ホストが感じている「ストレスや不快感」そのものをパラサイトに転送し、身代わりに苦しませる。

    「マーキング・フェロモン」: ホストのデブリを吸ったパラサイトからは、そのホスト特有の「臭い」が漂うようになる。他のホストがその臭いを嗅ぐと「他人の使い古し」として嫌悪され、パラサイトは唯一の主人から捨てられることを極端に恐れるようになる。

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