シンクロニシティ

【あらすじ】
舞台は、多層構造の鉄屑に空を塞がれ、太陽を忘れたサイバーパンクの街、九龍街(クーロンガイ)。

スラムの最下層で拷問官として生きるシオンは、組織を裏切った情報屋カイムを拘束する。肉体を傷つけず、精神のみを廃人へと追い込む「神経同期デバイス」を用い、シオンはカイムの五感を仮想空間『繭(コクーン)』へと引きずり込んだ。

『繭』の中で振るわれる仮想の暴力は、電気刺激となってカイムの脳を焼き、逃げ場のない絶望を与える。しかし、苦痛を注ぎ込み、獲物を蹂躙しているはずのシオンもまた、デバイスから逆流するカイムの戦慄と高揚に、かつてない陶酔を覚えていた。

同期率が上昇するにつれ、二人の精神は溶け合い、どちらが「苦痛」を与え、どちらが「快楽」を享受しているのか、その境界は曖昧になっていく。

「お前は、俺の痛みを欲しがっている」

カイムの不敵な囁きが、シオンの傲慢な支配を侵食し始める。それは、支配者と被支配者が反転する、破滅的な依存の幕開けだった。
降り止まぬ酸性雨のノイズに紛れ、二人の神経は、二度と引き剥がせないほど深く絡み合っていく——。

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