このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

LoRの自司書達

図書館の一室にて、フィンとサンチェスは久々の休みを酒を飲みつつ過ごしていた。
サンチェス「そういや、お前っていつも革ジャンとリボルバー持ち歩いてるけどなんでだ?」
フィン「これか?これは仕事仲間の形見だ、私の大切なものだ。」
そう言ってリバルバーを内ポケットから出して見せてくれた、リボルバーには改造された跡があった。
フィン「こいつは仕事仲間のジャックが使ってたリボルバーである程度改造されて主に貫通力と弾薬の強化が施されてる。」
フィンはいくつかの弾丸を取り出して言った。
フィン「右から破砕弾、猛毒弾、睡眠弾でそれぞれ貫通力が高い、当たれば確実に殺せる、眠らせる事により無力化等に使える弾丸だ。」
それを聞いたサンチェスはフィンに聞いた。
サンチェス「こんなに沢山の銃弾はかなり値が張るだろ?どうやって稼いでたんだ?」
フィン「作ったんだ、あいつはフィクサーにしては珍しく銃の作成が出来た。」
サンチェス「そいつはすげぇな…なら何でフィクサーなんかやってたんだ?」
フィン「私のせいだ…私の親が殺されてから家族の代わりとして私の面倒を見てくれてたんだ、その過程でフィクサーとして一緒に働いてくれたんだ。」
するとフィンは一枚の写真を見せてくれた、そこにはまだ義眼になってないフィンと一人の男性が写っていた。
フィン「こいつがジャック、私の仕事仲間であり家族替わりの存在だ。」
サンチェス「へぇ~意外とかっこいいな、モテてたんだろうな。」
フィン「実際そうらしい。」
するとフィンは過去の話を始めた…

私が親を殺されてから行く当てもなく彷徨っているとある武器屋から呼び止められた、そこの店主は「大丈夫か?こんなところに一人は危ないぞ?」私にそう言って来た。
私は断ってもよかったが武器もないから一度入る事にした、中に入ると店主が「ひとまず、水と軽い食べ物用意するから待ってて。」そう言って店の奥に向かった、私が盗みを働く可能性だってあるのに不用心な奴だと思ったが今思うとあいつなりの優しさだったんだろうな。
その後持ってきてくれた食べ物を食べたが全く害はなく至って普通だった、店主は「武器も無しにうろついてたのはどうしてだ?何か理由でもあるのか?」私は聞かれたが無理に答えるつもりは一切なかったからそれを無視した。
店主は「ん~…あ!君もしかしてフィクサーやってたりしない?」突然言われて私は「何で知ってるんだ。」って答えてしまった、店主は自慢げに「長年やってると目線で何をやってるのか分かって来てね、君はフィクサーの人が良く買う武器をよく見る傾向があるからやってるかなってね。」その時に私は「お前には関係ないだろ、私をどうするつもりだ?」そう言った時に店主は「どうって何もしないよ?だけど一人だと大変だろうから武器あげるよ。」そう言って一つだけ私に武器を選ばせてくれた、私は見た事の無いリボルバーを見つけてそれを頼んだんだが店主が「これは駄目だ、俺が使う用だからな…」そう言われて仕方なく普通のナイフを選んだ。
店主は「さて、武器もあるだろうし行ってこい。またなんかあったら来てくれよな!」そう言って私を見送ってくれた。

しばらくして仕事のミスから大きな怪我を負って逃げていたんだが、その時に聞き覚えのある声で「伏せろ!」と言われて反射的に伏せた瞬間に追手が一発の銃声で死んだ、私はそれに驚いて腰を抜かしてしまった。
すると、前の武器屋の店主が来て「よう、元気そうだな。追手が来るかもしれないし逃げよう、お前立てるか?」そう言って手を差し伸べてくれた、そして武器屋に逃げてから店主に言われた「やっぱり一人だと厳しいよな…心配だからついて行って正解だったよ…」その時私は「何故私を助ける?お前には何の利益も無いだろ?」そう言うと店主は言った「何故?昔の俺を見てるようだからだよ。」私は話を聞く事にした。
店主は「俺は昔っから親が居なくてさ、一人で路地歩いてたら当然危ない訳でさ?そん時に心優しい人に助けて貰ってさ…俺もそんな優しい人間になりたいって思ってたんだよ。」そう言われた私は「そうか…」一言だけそう言った時に店主は「そう言えば、俺の名前名乗ってなかったな…俺はジャック、過去にはフィクサーの経験あったが今はやめて武器屋になってる男だ。」それを聞いて私は「フィンだ、最近家族を失ったばかりだったんだ。」そう言うとジャックは「あ~そうだったの?だったらうちに空き部屋あるしそこ使う?鍵付きだから防犯面も安心だよ?」そうして私はジャックの武器屋で暮らし始めたんだよ。

ここまでの話を聞いてサンチェスは「良い奴だけど…なんか裏でもあるんじゃねぇか?」と聞いたがフィンは「いや、あいつは最後まで良い奴だった…それなのになんで死んだのがあいつだったんだろうな…」
フィンは話し始めた…

ある日の依頼でジャックと私が向かった所でいつも通り戦うと珍しくジャックがしくじって敵に囲まれてしまった、私は咄嗟に助けようと敵に飛び掛かってジャックの逃げ道を作った。
しかし今度は私が敵の攻撃で追い詰められてしまってな…するとジャックはいつもの早打ちで敵を倒してなんとか逃げれたんだ。
でも…その後すぐにジャックは血を吐き倒れたんだ、気づかなかったがジャックの背中には大きな傷跡があって囲まれた時に食らったらしい。
私は突然の事にあたふたするばかりで何も出来なかった…するとジャックは私に言ったんだ…「フィン…俺は良いから早く逃げろ…」私は「そんな事できない!何か方法があるはず…!」そう言ったがジャックは「最初にお前が欲しかった武器を覚えてるか…?あれ…お前にあげるよ…」続けてこう言ったんだ「お前は強くなった…だからあの銃を使ってくれ………ごめんな、また一人にさせちゃったな…」それがジャックの最後の言葉だった、あれから私はそのリボルバーを貰って最後のお別れをしてその場を後にした…

ここまでの話を聞いてサンチェスは思った。
サンチェス「このジャケットは何だ?一回も出て来なかったけど…」
フィン「これはあいつが着てたのと同じ奴なんだ、本人から貰った訳じゃないがあいつの事を覚えていられるようにしてるんだ。」
するとサンチェスがもう一つ聞いた。
サンチェス「仮にだけどこのリボルバーを失くしたらどうするんだ?」
フィン「そうなったら…どうするだろうな。」
サンチェス「…まぁ、いいか。今日は結構話したし一度部屋に帰るよ。」
フィン「うん、お疲れ様。」

部屋に一人になったフィンはリボルバーを見て言った「ジャック、お前の事は忘れない…ありがとうな…」そう言ってリバルバーを内ポケットに戻した。
32/40ページ
スキ