LoRの自司書達

「なぁ、789は昔どんな人だったんだ?………何度も言うが、データに乗ってないんだから深く聞くな、知らない方が身のためだぞ?………えぇ…やばい事あったらそっちの方が困る…」これの少し前、666は他の支部の管理人であるX-710と話していた。

その時の会話で「789の過去の姿が全くデータに乗っていないと言うこととそれを知らない方が良いと言っている789」を見てから666は789の過去が気になっていた。

その時、ふと思ったのが「そう言えば、あの寿司屋の大将ってお前の父さんなんだって?」あの寿司屋と言うのは前にもあった「寿司所 暉すしどころ ひかり」の事である。

「あ?そうだけどさ、親父に聞くのはやめてくれないか?あまり深入りしない方が良いって。」そう言ってずっと拒んでくる為666は「しょうがない、ちょっとコーヒーでも飲んでくるか。」そう言ってコーヒーメーカの前に行った、「789は何飲みたい?」そう聞いた666に「じゃあ、キリマンジャロブレンドで頼む、砂糖は5つで頼む。」そう言っていたので「分かった、じゃあ少し待っててくれ」そう言って789が意識に干渉してないと分かったら「…今ならいける。」そう言って角砂糖5つと1錠で10時間寝れると噂の睡眠薬を10錠を入れた。

「789は結構強いからこれぐらいないと厳しいだろうな。」そう言って睡眠薬を沢山入れたコーヒーを用意して789に体を預けて飲んでもらうことにした…

「キリマンジャロってなんか化学薬品みたいな味するなぁ…それにコーヒーのくせに眠く…な…ってる…っ………」そう言って789は眠ってしまった、「789は寝てても俺が体動かせるって凄いよなぁ…交代制で仕事すれば永久に働ける…さて、100時間寝るはずだけどどうせ24時間とかそれぐらいで復活するから早めに寿司屋言って話聞いてみるか。」そう言って666は789を眠らせたまま寿司屋に向かった。

[寿司屋にて]

「へいらっしゃい!お?新規さんやね!」そう言って出迎えてくれた大将に666は「えっと、眠いさんやメイソンさんがよく使ってるらしいのできてみました。」そう言って軽く話をしながら話題を切り出すタイミングを伺った、すると「666さんや、何か聞きたい事でもあるんかい?顔に思いっきり聞きたいって書かれてまっせ?」そう言って聞いて来た為「あの…大将って店を継ぐ息子さんとかいらっしゃるんですか?」少し濁して行ったのを聞いた大将は言った「…濁さなくてもええんやで、うちの家族について聞きたいことあるんやろ?別にかまへんけど…うちにいるのは娘やで?」その一言を聞いて666は「え?娘さんですか?」そう言った666に大将は話し始めた「あれは…確か十数年前だったかな?うちがフィクサーをやめて寿司屋になるってうちの娘に言ったんや。うちの娘はなぁ、本当によう出来た娘でな?うち譲りの洞察力と強さ、嫁さん譲りの可愛さと判断力、そして生まれ持った負けん気の強さとひたむきに頑張る心の全てを持った本当に自慢の娘やったんや。」それを聞いていて666は「娘さんは何て言ってたんですか?」大将は悲しげな表情で「…「フィクサーとして今まで必死に頑張ってきた父ちゃんがこんなにあっけなくフィクサーやめるっちゅうのは信じられへん!父ちゃんなんてもう知らん!」そう言って家を出て行ってしまったんよ…あれから一度もあってへんし連絡もとってない。娘の気持ちを分かってると思ってたんやけどなぁ…うちもまだまだやったって事なんよ、たった一つのミスで娘を失ってしもたんよ…」そう言っていた。

「…もし、娘さんに会って何か話せるならなんて言いたいですか?」そう聞くと大将はこう答えた「んなもん十数年前から決まっとるわ、「ごめんなさい」それだけでも良いから伝えたいんや、愛する娘を自分のせいで失ったっちゅうのは辛いんやで?今も生きてるか分からんし死んでおったら自分のせいやねん。だから、あの時の行いを謝りたいんや…ずっとずっと何年もなぁ…」そう言いながら少し涙ぐんでいた大将を見て666は「…大丈夫ですよ、きっと娘さんは生きていますよ…もしかしたら、意外と近くにいるかもしれませんしね。」そう言って笑顔を見せた。

「…ふっ、ありがとうなぁ…お礼とまではいえへんがお代は要らんわ、あんたのおかげで少し心楽になったわ!ハッハッハ!」そう言って大将は666を送りだしてくれた。

[L社にて]

(カタカタカタカタ)「つまり、789は実は女性であり、父親は凄腕のフィクサーだった…っと(タン!タン!保存中………保存完了。)ふぅ~とりあえず聞いた事を元に大体のデータを載せたものの、まだまだ情報が少ないなぁ…」そう言ってパソコンと向かい合っていた666は気づいた「789は起きてるのかな…?試しに聞いてみるか。」そう言って789に呼び掛けてみた「789~起きてる~?………あぁ…起きてるさ………え?マジで?いつから?………お前が寿司屋行ったあたりからなんだよ、俺言ったよな?親父には聞くなって?ましてやデータベースに保存するって馬鹿じゃねぇの?」それを聞いて666は「え?じゃあ、あの話全部聞いてたの?………そりゃそうだよ、睡眠薬10錠程度じゃ俺は止まらねぇっての………じゃあ、大将の話も?………そうだよ、正直な?俺は親父に嫌われてると思ってた、親父の生き方を否定して今まで育ててくれた親に反抗してそれから連絡も無し…こんな事されて許されるとは思ってなかった。………だから行きたくなかったんだね、自分が悪く言われると思って………恥ずかしながらその通りだ、親父にだけは自分が勝てる気がしないって思っててさ…下手な事して怒られたらって思うとすごく怖くてさ…でも、親父は心配してくれてたんだもんな、本当に申し訳ないと思ってるんだ。」その話を聞いて666は一つ思った「なんだろうね…流れぶち壊す気がするけど…789は性別女性なの?………ばっ!?お、お前!それ絶対誰にも言うなよ!………良いけど、理由は?………お前の体が男だからそれに合わせて俺って言ってるんだよ、中の人が女性ってなったらそれはそれは大混乱だぞ?………あ、なるほどね…マジでありがとう。」そんな話をしていると666が「じゃあ…普段はどんな感じで話してたんだ?………普段ってうちの家系の話し方で一人称私って事か?………うん、ちょっと聞いてみたいけど…駄目?………これ他のやつには絶対に言うなよ?………分かってるって………ならええけどなぁ、私が普段通りに話す事の何がおもろいって言うんや?別にこんなもん見たってなんもおもろないやろ?………はぁ~すっごい変わる…もう、すっごい変わる………あんまり私で遊ばんといてな?私やって嫌なもんは嫌なんやからな?………じゃあ、もういいよ?………なら俺はもう戻るからな?………うわぁ~しっくりくる………まぁ、その…引かれなかったなら良かったよ………………………………………お前に引かれるのが一番辛いしな…今なんか言った?………返事なし…っと。」そう言って仕方なく仕事に戻った666だった。



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