冤罪で追放されてしまった第二王子、ルノア。

酔った勢いで隣で飲んでいたアイリを誘ってしまい、一夜を共に過ごしてしまう。

そして数日後、ルノアの前に現れたのは一夜を共にしてくれたアイリで···？


｢僕の名前はアイリ改めイリア。王国騎士団団長を務めているよ、よろしく···ルノア？｣


おい、聞いてないぞ。

単騎で乗り込んできた世界最強と言われる総帝に魔王様が恋をする話。


｢チオー！好きだよ、愛してる。｣

｢···俺は愛されてもいいの？貴方も不幸にしてしまうかもしれない。｣

｢何言ってんのさ、僕魔王だよ？不幸なんて大好物だよ。｣

全部ぜーんぶ、好きでいてあげる。

飛び降りると最愛のヒトのところに行けるって知ってた？



｢俺は絶対お前なんかと認めない！｣


｢どうして？こんなに身体の相性はいいのに。｣



···そういう所が嫌なんだ！

私の最愛の人、最後まで愛してあげるからね。




｢そんなに怯えなくてもいいよ、さぁおいで。｣


｢あのね···、毎日はしんどい。｣


毎日の酷使で身も心もボロボロです。

彼はなんの仕事をやってるのか分からないし歳も何歳から知らない。

ただ、いつも気怠そうにタバコを吸い、甘い香りを漂わせている事は知ってる。



｢今日はお仕事行かなくていいんですか？｣

｢······お前の膝枕の方が大事だからな。｣


彼の事を全て知ってしまったらどこかに消える気がして。
手元に居て欲しいから、何も聞かない。