プールに沈む死体
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「えぇ!?永美お嬢様がいなくなった!?」
先程ワガママ放題だった大磯ファイナンスのご令嬢、大磯永美が1人ネックレスを探すためにプールに潜っていたはずなのだが、プールにも更衣室にもトイレにもいないという。
「ホテルの部屋は?」
「見ましたが戻った様子もなく、ご自宅にも帰られていないようで……」
お嬢様についての目撃情報も心当たりもなく、一同は途方にくれた。
「おいあれ!人じゃないか!?」
プールを見回っていたボーイが叫んだ。おなまーえと世良とコナンが走ってプールサイドに駆け寄る。
「早く引き上げて!」
プールの底に沈むのは先程までネックレスを探していたはずの大磯永美。男性陣が大急ぎでプールに飛び込み、永美の体を引き上げる。世良が警察と救急車を呼び、おなまーえは永美の様子を確認した。
「………冷たいし、脈がない」
「つまり永美さんは、もう……」
****
警察が来て溺死の線が高く事故で処理されそうになったところを、コナンが声を上げて否定した。
根拠としては、ボーイが発見する10分前にはプールには人影がなかったこと、そしてプールの底にガラス片が散乱していたことが挙げられた。
他殺の線が高くなる中、犯人の候補は以下の三人だった。1人は大磯ファイナンスの社長秘書で、被害者の婚約者の左巻頼斗。1人は被害者の異母妹の大磯浜香。1人はホテルの支配人の豊島延策。左巻と浜香は不倫してるのではという疑いがあったが、それは永美の勘違いであると主張していた。
おなまーえはコナン達から離れてプールサイドでじっと観察していた。鑑識の人たちには中に入らなければ見て回って良いとの許可を得ている。
(死体が突如現れたトリックはガラス片の存在から証明できる。でもそれが誰に可能だったのかがわからない……)
ジッとプールの底を見つめるおなまーえに、コナンと世良が近づいてきた。
「おなまーえさん、何かわかった?」
「トリックはわかった。でもどうやったのか、そして誰に可能なのかがわからない。」
「トリックって?」
「多分、屈折率を利用したんだと思う」
「「……!そうか!」」
コナンと世良は何か閃いたように顔を上げると、水のないプールの中に飛び込んだ。
「え、ちょっと……」
「見ろよコナン君!排水溝の真上にフックのようなものがねじ込まれてるよ!」
「フック?」
「コラ!坊主達何してる!」
「あ、すみません、すぐ上がらせますから」
鑑識の人に怒られても2人は推理に夢中で気づかない。
「ここはプールの横側のちょうどど真ん中だし……」
「間違いないね。犯人はあの人だ!」
「え?わかったの?犯人」
「あぁ、おなまーえさんのおかげさ!」
「えぇ……」
トリックのヒントを伝えただけで犯人にまでたどり着く2人の頭の回転の速さが少し怖いと感じた。