Chapter.6
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Chapter.6
サリマンからの追っ手は思いの外あっさりと身を引いた。
「あなたたちの居所くらい手に取るようにわかりますよ」と言われているようで癪だったが、おなまーえが憔悴している以上こちらもこれ以上の深追いはできなかった。
城に戻った頃は夜明けまであと数刻という頃だった。
雨が酷かった。
おなまーえを横抱きにした彼は、足音を立てないようにソフィーと荒地の魔女の横を通る。
「よかった、みんな無事で」
「カルシファー、風呂にお湯」
「んぁ…」
カルシファーは眠たげに返事をする。
2人はそのまま二階の浴室へと上がって行った。
雨に濡れた服を脱ぎ、下着姿になる。
今更になって恥じらいが出て来て、おなまーえはもじもじと端で足を擦り合わせていた。
「おいで」
そんなおなまーえを見てハウルはクスッと笑うと片手を広げて手招きをした。
おなまーえは渋々彼の正面に立つ。
背中に手が回され、下着のホックがぷつんと外された。
そのまま下の布も取っ払われ、おなまーえとハウルは生まれたままの姿で湯船に浸かった。
揃って小窓の方を向き、ハウルが後ろからおなまーえを抱えるような体勢だ。
「……月が綺麗」
「そうだね」
ぼんやりと、何をするわけでもなくお湯につかって窓の外を見る。
ただそれだけなのに、おなまーえは安心感に満たされていた。
十分に体も温まった頃、ハウルが口を開いた。
「今朝のこと、マルクルから聞いた。おなまーえが浴室から出てこなかったって。」
「うん」
「今、おなまーえがこうやって疲弊してるのもきっと僕のせいでしょ?」
「まぁ、否定はしない」
ハウルはぎゅっと抱きしめる腕を強めた。
「……ごめん」
「いいよ、結果的に大丈夫なんだし」
「僕の魔力、渡そうか?」
「いや、むしろ私の魔力もっととってよ」
「え?」
おなまーえはヨイショという掛け声とともに膝立ちになると、器用に回転してハウルに向き合った。
人並み以上にはふくよかな胸が彼の眼前に突き出される。
「サリマンは裏切り者を放っておかない。荒地の魔女が無力化された今、ハウルのことは最危険人物として認識しているでしょう。私は応用魔法はうまく使えないし、今この城を守れるのはあなたしかいないの。」
胸を押し付けるようにおなまーえはハウルの頭を抱えた。
彼が短く呼吸する音がくすぐったい。
「今私に残っている魔力の半分。これだけの魔力があれば、引越しでも結界の強化でも容易にできるから。」
「それはおなまーえの負担になる」
「もちろんしばらくの間、私は魔法使いとして機能しなくなるかもしれないけど、でも、私はあなたのことを信じてるから。」
おなまーえはぐっと屈み込み、彼の耳元に唇を寄せた。
「だから、私にキモチイイこと、たくさんして?」
****
「ヒッ……ふぁ、あ!んっ…」
「……いい声。もっと聞かせて。」
唇を指でなぞると、ハウルはおなまーえの口角に親指を引っ掛けた。
口内に入ってきたそれをおなまーえは無意識のうちに舐めまわす。
「んっ…ハッ、あ……」
上の口も下の口もハウルによって塞がれてしまった。
彼の恍惚とした表情がよく見える。
腰を動かしながら胸の先端を摘まれれば一際高い声が出た。
「……初めて……体を重ねた時、おなまーえは処女だったよね」
「う、んっ…」
彼は腰を規則正しく動かしながら話す。
「すっごく嬉しかった。おなまーえの体を知ってるのは世界でたった一人だけなんだなって。」
「そ、っ……アッ…」
「……ねぇ……キス、していい?」
「っ!」
今まで一度も唇を触れ合わせたことはなかった。
どんなに激しく体を重ねても、キスだけは未だに未経験であった。
「そんな、ことっ……いちいち、聞かないで、よ」
そう言いつつも、未だに経験したことのないそれに期待感が高まっていた。
クスッと笑った彼の顔がどんどんと近づいてくる。
(確かこういう時って目を閉じるんだっけ)
知識でしか知り得なかったことを今からする。
愛する人と。
おなまーえはゆっくり目を閉じた。
ふにっとした柔らかい感触。
全身に広がる幸福感。
ファーストキスは無味だったが、噂で聞くよりもずっとずっと気持ちが良かった。
「……おなまーえは顕著だね。すっごく中締まったよ。」
「いわ、ないで…」
白いはずの頬が赤く紅潮する。
「……もう一回、して?」
「仰せのままに」
彼は何度も何度も、互いが果ててもなお、優しく唇を重ねてくれた。
紛れもなくおなまーえは今、世界で一番幸せであった。