14. 光の喜び、星の影り
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Joy of the daylight. Shadows of the starlight.
光の喜び、星の影り
翌朝。
ひさびさによく寝たおなまーえはスッキリした顔でパンドラ本部を歩いていた。
「よく寝れたみたいだな、おなまーえ」
「ええ、兄様のおかげです」
溜まっていた書類を殆どレイムが引き受けてくれたのだ。
おかげで昨夜は早い時間から布団で休むことができた。
実はブレイクがおなまーえの仕事の負担を減らすよう交渉してくれていたのだが、彼女はそれを知らない。
****
「えっと、またですか…」
書類を運んでいる最中、オズに話しかけられた。
隣にはギルとブレイクもいる。
「どうしても、バルマ公の客人を見張りたくて、そのためにはおなまーえさんの力が必要なんだよ。」
パンと手を合わせてオズはこちらにお願いをしてくる。
その内容は2日後にバルマ邸に侵入させてほしいというお願い。
あまりの突拍子のなさに逆に冷静になれた。
「ああ…かの国のお客様に会いたいんですか?」
「そう!さすが話が早くて助かる」
「丁重にお断りさせていただきます」
ガクッと三人は倒れる。
「頼むよ、美人で凄腕のおなまーえさんだからお願いしてるんだ」
「……おだてても、こればっかりは私の判断じゃイエスとは言えませんよ」
「そんなぁ」
いくら彼らが不審者ではないとはいえ、自らの主人の家に侵入するのを助長、ましてや看過することなどできない。
「いいですか、オズ様。こういうことは素直にルーファス様にご連絡を…」
「ブレイク、頼む」
オズはおなまーえの言葉を遮ってブレイクの名を呼んだ。
呼ばれた彼ははぁとため息をつくとこちらに近寄ってくる。
なるほど、ハニートラップかとすぐに悟り、後ろに後ずさる。
「な、なんですか…いくらブレイク様の頼みでもこればかりは…」
彼は無言のままおなまーえに近づき、アンニュイな表情で端正な顔を耳元に寄せた。
「ちょ…まっ…!」
「……お願いします、おなまーえお嬢様」
「っ…!」
彼はふざけ半分で言ったのだろう。
だがその呼び方は彼女にとっては特別な意味を持つ。
「オヤ、やはり女の子というものはお嬢様扱いがお好きですか?それとも…耳、弱いんですか?」
彼の心地よいねっとりとしたボイスが脳の奥まで響く。
吐息すら感じられるほど唇が耳元に寄せられる。
「ぁ…」
なんとかこの窮地を脱したいということしか頭になかった。
「…っ…わかり、ましたから!!」
顔を真っ赤にしたおなまーえははやくも敗北を宣言した。