鬼の手短編
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つい温もりが恋しすぎて
ご無沙汰な日々だったから、朱美の家に上がるなり抱きしめてしまった。
ここ最近、美術展やら音楽祭やら研究授業の準備やらで、お互い忙しくてゆっくり過ごすことが出来なかったのだ。
「あーー、やっと二人きりになれた」
ぎゅうと両腕の中に閉じ込めて、彼女を堪能する。
温かさ、柔らかさ、匂い、鼓動。
全てが愛しかった。
彼女も腕を回し、抱きしめ返してくれた。
「私も。会いたかった」
彼女の真っ直ぐな言葉がこしょばゆくて、口元が弛む。
「よぉーしっ!」
嬉しさのあまり俺は彼女を横抱きにしてリビングへと運ぶ。
久しぶりの彼女の部屋だが、勝手知ったる部屋だ。
「ちょ、ちょっと鵺野先生!やだ、恥ずかしい……」
「だめだめ!せっかく二人きりになれたんですから」
真っ赤な顔をして足をばたつかせる彼女だが、そんな抵抗で下ろす俺ではない。
彼女のフェイクレザーのソファに腰を下ろし、口づけをする。
「ん………」
彼女は抵抗するのを辞め、俺の首に腕を回して口付けを受けている。
まだ昼前。
レースカーテン越しの外の光だけでも明るい時間に不相応な卑猥な音が部屋に響く。
「はぁ………」
唇を離せば、トロンとした瞳で俺を見上げてくる彼女がいた。
このまま流れに身を任せ、ベッドルームへと連れて行きたい……けれど!
「さて」
俺はあえて明るい調子の声と共に手を叩く。
「ひっさびさの二人きりの休日ですし、何をしましょーか!」
「え………」
朱美は信じられないといった様子で俺を凝視する。
「また映画を観てもいいですか?幽霊が出てくる昔の映画を観たい気分なんですよねぇ。あ、近くの公園まで散歩もいいですね。帰りにスーパーに寄って、お昼ごはんを一緒に作るとか…恋人っぽくありませんか?!」
喜々として語る俺を、驚きから怒りへと変化していく彼女がいた。
「もう!わざと言ってるんでしょう?!」
「バレました?」
「わかり易すぎです!」
そんな風に叫ぶ彼女は涙目で俺を睨んでくる。
「ごめんごめん!君が可愛くてつい」
依然横抱きにされたままの彼女の頬に触れるだけのキスをした。
「これで私がハードボイルドな映画が観たいですって言ったらどうしたんですか?」
「うーん、そうだなあ」
朱美を俺の膝の上に座らせ、彼女を後ろから抱きすくめる態勢になった。
わざとらしくうんうん唸る俺に、彼女は振り返ってジト目で俺の顔を覗いてくる。
「答えは………こうだ!」
「っ………ひゃ、あははは!やめ、て!鵺野先生!くすぐった、いっ……!」
俺は彼女の脇腹を擽る。
後ろから抱きしめながら擽っているから、彼女は逃れられない。
擽りに加え、その首筋に口付ければ甘い声が混じってきた。
「ふっ………ぁ、だめ、やめて………あはっ………鵺野、先生………もう!はははっ、やめっ、……ん……」
「こうやって観るのを邪魔してやるつもりです」
「……もぅ!」
俺の手首を掴む強さから彼女の怒りが伝わってきた。そろそろ止めなくては。
「ごめんごめん」
「ひぅっ………」
真っ赤になっている耳を食み、チロチロと舌で撫でれば、彼女の体は水から上がった魚のようにビクビクと体を跳ねさせた。
もう、この辺りが我慢の限界だった。
朱美も臀部から伝わる俺の塊の熱を感じ取ったはずだ。
俺はぎゅっと彼女を抱きしめたまま。
彼女も身を固くして俺に抱きしめられている。
窓の外からの通行人の話し声や靴音が嫌によく聞こえてきた。
「………いい?」
俺がそう聞けば、彼女は無言で頷いた。
きっと俺も彼女と同じくらい顔が真っ赤なはずだ。
この家に着いたとき、意気揚々と彼女を横抱きにしてリビングまで運んだというのに。
俺は朱美を膝から下ろし、ソファから立つ。
「じゃあ………」
「………はい」
その手を掴み、二人きりの部屋なのに俺達はそろそろと寝室まで歩いた。
ご無沙汰な日々だったから、朱美の家に上がるなり抱きしめてしまった。
ここ最近、美術展やら音楽祭やら研究授業の準備やらで、お互い忙しくてゆっくり過ごすことが出来なかったのだ。
「あーー、やっと二人きりになれた」
ぎゅうと両腕の中に閉じ込めて、彼女を堪能する。
温かさ、柔らかさ、匂い、鼓動。
全てが愛しかった。
彼女も腕を回し、抱きしめ返してくれた。
「私も。会いたかった」
彼女の真っ直ぐな言葉がこしょばゆくて、口元が弛む。
「よぉーしっ!」
嬉しさのあまり俺は彼女を横抱きにしてリビングへと運ぶ。
久しぶりの彼女の部屋だが、勝手知ったる部屋だ。
「ちょ、ちょっと鵺野先生!やだ、恥ずかしい……」
「だめだめ!せっかく二人きりになれたんですから」
真っ赤な顔をして足をばたつかせる彼女だが、そんな抵抗で下ろす俺ではない。
彼女のフェイクレザーのソファに腰を下ろし、口づけをする。
「ん………」
彼女は抵抗するのを辞め、俺の首に腕を回して口付けを受けている。
まだ昼前。
レースカーテン越しの外の光だけでも明るい時間に不相応な卑猥な音が部屋に響く。
「はぁ………」
唇を離せば、トロンとした瞳で俺を見上げてくる彼女がいた。
このまま流れに身を任せ、ベッドルームへと連れて行きたい……けれど!
「さて」
俺はあえて明るい調子の声と共に手を叩く。
「ひっさびさの二人きりの休日ですし、何をしましょーか!」
「え………」
朱美は信じられないといった様子で俺を凝視する。
「また映画を観てもいいですか?幽霊が出てくる昔の映画を観たい気分なんですよねぇ。あ、近くの公園まで散歩もいいですね。帰りにスーパーに寄って、お昼ごはんを一緒に作るとか…恋人っぽくありませんか?!」
喜々として語る俺を、驚きから怒りへと変化していく彼女がいた。
「もう!わざと言ってるんでしょう?!」
「バレました?」
「わかり易すぎです!」
そんな風に叫ぶ彼女は涙目で俺を睨んでくる。
「ごめんごめん!君が可愛くてつい」
依然横抱きにされたままの彼女の頬に触れるだけのキスをした。
「これで私がハードボイルドな映画が観たいですって言ったらどうしたんですか?」
「うーん、そうだなあ」
朱美を俺の膝の上に座らせ、彼女を後ろから抱きすくめる態勢になった。
わざとらしくうんうん唸る俺に、彼女は振り返ってジト目で俺の顔を覗いてくる。
「答えは………こうだ!」
「っ………ひゃ、あははは!やめ、て!鵺野先生!くすぐった、いっ……!」
俺は彼女の脇腹を擽る。
後ろから抱きしめながら擽っているから、彼女は逃れられない。
擽りに加え、その首筋に口付ければ甘い声が混じってきた。
「ふっ………ぁ、だめ、やめて………あはっ………鵺野、先生………もう!はははっ、やめっ、……ん……」
「こうやって観るのを邪魔してやるつもりです」
「……もぅ!」
俺の手首を掴む強さから彼女の怒りが伝わってきた。そろそろ止めなくては。
「ごめんごめん」
「ひぅっ………」
真っ赤になっている耳を食み、チロチロと舌で撫でれば、彼女の体は水から上がった魚のようにビクビクと体を跳ねさせた。
もう、この辺りが我慢の限界だった。
朱美も臀部から伝わる俺の塊の熱を感じ取ったはずだ。
俺はぎゅっと彼女を抱きしめたまま。
彼女も身を固くして俺に抱きしめられている。
窓の外からの通行人の話し声や靴音が嫌によく聞こえてきた。
「………いい?」
俺がそう聞けば、彼女は無言で頷いた。
きっと俺も彼女と同じくらい顔が真っ赤なはずだ。
この家に着いたとき、意気揚々と彼女を横抱きにしてリビングまで運んだというのに。
俺は朱美を膝から下ろし、ソファから立つ。
「じゃあ………」
「………はい」
その手を掴み、二人きりの部屋なのに俺達はそろそろと寝室まで歩いた。