長編「今度はあなたを」
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
目が覚めたら、まだ目覚ましが鳴る前の時間。
平日だってこんなに早くは起きない。
二度寝なんて出来るわけがなく、私は起き上がり、かなり早めの休日のモーニングルーティンにとりかかる。
顔を洗い、洗濯機を回し、はりきって朝食もフレンチトーストなぞ作ってしまう。もはやルーティンではない。
いつもはトーストにバターを塗るだけだが、この余りきった時間を贅沢に使うことにしたのだ。
毎朝きちんと朝食を作る人にとっては大したことではないのだろうが、私にとっては体力的にも精神的にも元気な日にしか料理などしない。
「今日、大丈夫かな」
苦手ではないけれど、得意でもない料理。鵺野先生に振る舞う約束をしてしまったが、満足のいくものを作れるかどうか不安だ。
食べたいものを作ると約束してしまったが、何をリクエストされるのだろうか。
「ビーフストロガノフとかボルシチとか作ったこともない料理だったらどうしよう」
フライパンの上で音を立てて焼かれるパンを裏返せば、結構焦がしてしまったから、不安は募るばかりだった。