三人寄れば、暖かい
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冬休みに入り、半助さんの家で過ごす。
隣のおばちゃんと大家さんに挨拶をして、ご飯作ったり、きり丸のバイトを手伝ったり、宿題やらせたり…きり丸が寝た後に二人で………とか…朝から夜まできり丸と半助さんと一緒にいられる濃密で愛おしい日常だ。
「おやすみ」
そう言ってきり丸を挟んで半助さんと私はそれぞれの布団に入る。
沈黙が降り積もる。
きり丸と半助さんの小さな寝息が聞こえてきても私は眠ることができなかった。
理由はただ1つ。
「寒い…………」
気密性のない冷え切った部屋。
さっきまで抱かれて沸ききった熱はあっという間に冷めてしまい、手足の先が氷のように冷たく、自分の身体ではないような気になる。
私は身体を丸め、布団を掻き寄せる。
「んー………」
その時、隣のきり丸が唸りながらこちらに転がってきた。
布団から出てきてしまっても彼は呑気に眠っている。
これでは風邪を引いてしまう。
私は布団を被りながら起き上がり、きり丸を元の位置に転がして布団を彼に掛けてやる。それでも起きないのだから面白い。
その時、きり丸と彼の敷布団の温もりに驚いた。
寒さに限界が来ていた私はもう心の中でやるべきことを決めた。
きり丸の布団に入り、彼を抱きしめる。
温かい。
凍えて震えていた身体が優しい熱に溶かされ、眠気がやって来る。
うん。これなら眠れそう。
ーーー
「眠れないのかなと思って耳を澄ませていれば………これだ」
私は起き上がり、きり丸と朱美を見てガシガシと頭を搔く。
「………ずるいぞ、きり丸」
頬を突いてやる。
これくらいできり丸は起きないから、少し強めに突いてやっても案の定ふにゃりとした寝顔はそのままだった。
ぴったりとくっついて眠るあどけない寝顔の二人を見て、私は小さく吹き出した。
「まるで姉弟みたいだ」
でも、彼女の温もりを堪能しているきり丸がちょっぴり羨ましい。
暖を取る手段があまりに豊富な彼女の時代に比べれば、この時代の冬は厳しいだろう。
うちには湯たんぽも無いし。
彼女は体温の高い子どもの熱に惹かれ、こうしてきり丸を抱きしめて眠っているのだろう。
寒いなら私のところに来ればいいのに。とは思ったが、きり丸にとっては不健全だろう。
「私も仲間に入れてくれないか」
はみ出す部分は私の布団で補って、きり丸の布団に入り、きり丸と朱美に手を回す。
「………確かに温かいな」
明日の朝、目覚めたきり丸は驚くだろう。
理由を言えばきっと「おれは湯たんぽじゃないんすからね」と呆れながら「湯たんぽ代、いただきやーす」と手を差し出すことだろう。
そんなやりとりを想像しながら私は眠ることにした。