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ナルトと愉快な仲間たち

「彼って、とことん運が無い忍びですよねー。」


      ある日の影から見守る忍者の独り言から抜粋ばっすい


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「まぁたお前は!!こんな事をして!!」

アカデミーの廊下で響く怒鳴り声。
いつも決まってそれはイルカ先生の声だったりする。
そしていつも決まって怒られるのは問題児ナンバーワンのうずまきナルトである。

「そんなに人の気を引っつかみたいならモット別の事をしろ!!」
「だってこっちのほうが手っ取り早いんだってばよ!!」

そこをたまたま通っていたミズキは立ち止まった。

(またか…九尾のガキもそうだが、毎度毎度、イルカも良くこいつにかまってやれるよな…)

「どうかしたんですかイルカ先生?」
「ああ、ミズキ先生」

何故かこの時、イルカがとても助かった!という顔を浮かべていた。嫌な予感しかしない。即刻この場を立ち去ろう。

「じゃ、じゃあ俺はこれでしt「丁度良かった!これ何とかするの手伝ってください!!」はい?」

イルカが涙目で教室内を指差す。まだ生徒たちが集っていない朝早い教室の中。
シン…と静まり返ったそこには普段と変わりない風景があった。
ちょっと違う所といえばいたる所に植木の花が置いてある事くらいで。

そのほかは変わらない教室。ミズキは一人首をかしげた。何をするのを手伝えと??
しかし、それを尋ねる前にナルトが逃げようと走る。
もの凄いスピードだった。あいつ、本当にアカデミー生徒か?

「あ!あいつ、この期に及んでまだ逃げる気かっ!まてナルト!!」

イルカも走り出す。

「待たないってばよ~!へへーんだ!捕まえられるもんなら捕まえてみろ~」

そうやって残されたミズキ。チャイムが鳴り、次々と生徒たちがやってくる。
イルカはきっとナルトを捕まえるまでは戻ってこない。
生真面目に見えて、結構夢中になるタイプなのだとミズキは知っている。
と、なると必然的にミズキが変わりにクラスの授業を受け持つしかなくなる。

やれやれ…そう思いながら彼は授業を始めた。

そこそこイルカより出来るミズキにとっては赤子の手を捻るレベル…だとミズキ自身もそう思っていた。
たしかに途中までは全員大人しくしていた。
しかし段々とクラス中が落ち着きなく、中にはクスクス笑う声もする。

何だろうと振り返るミズキ。ふと、彼らの視線が部屋に飾ってある植木へ意識が集中している事に気がついた。

さっきまでは気づかなかったが、その花、異様なチャクラを放出している。
そしてそのチャクラが教室の壁へと送り込まれている。

どうして気づかなかった。
ミズキは今更後悔していた。

壁にはチャクラで書かれた色々な自分が経験してきたムッチャ恥ずかしい出来事が浮かび上がっていたのだ。
そして、もちろんその花を退かそうとした。が、しかし。
その植木の周りは一種の強力な結界が張られていたのだ。

(誰がこんな手の込んだ嫌がらせ…はっ!)

ナルトだ。彼以外誰がいるだろうか。しかし、こんなにも術が使えたのだろうか??
何故イルカが真っ先にナルトを追っかけていった理由も分かった気がした。
本人が居た方が手っ取り早いからだろう。

(は、早く戻ってきてくれイルカ…!!色んな意味で身がもたん!!)

その日は一日中笑われていたミズキだった。

日が暮れる頃にやっとナルトを捕まえたイルカは、彼と、そこで放心しかけていたミズキも混ぜて一生懸命チャクラの文字をチャクラで消し、花の回収はナルトにやらせ、こっぴどく叱ってから一楽へ誘った。

ミズキは行く気になれず、フラフラしながら帰っていった。

「…ミズキせんせーってばイルカ先生よりヤワなんだなぁ。イルカ先生はかなりタフになったよな!」
「ああ、お前の手加減無い悪戯のおかげでお蔭様で忍術にも磨きがかかったよ。」
「お!よかったじゃん!!それも俺のおかげ…「そして、そのせいで皆からナルトのことになると全部俺へとまる投げさせられるんだよ」へ、へぇ」
「お前は毎度毎度、本当に悪戯レベルを遥かに超える事をしでかすからなぁ。」
「えー?そうかぁ?」
「ある意味、お前が普段誰と修行しているのか知りたいくらいだな。」

そう言いつつイルカとナルトはラーメンを食べ終わり帰路に着いた。

「ちーびひまぁあああ!!」

そう言いながら100メートルを疾走してそのまま体当たりをナルトへとブチかました人物が一人。

ナルトは抱きつかれたままぶっ飛んだ。そこへたまたま星空を堪能しながら歩いていたミズキに当たり、彼は果てしなく遠くへ吹き飛ばされ、
衝撃が運よく無くなったナルトは気づきもせず、抱きついてきた人物を眺め、そして

「ねぇちゃんってば本当に手加減無しだってばよ。」
「いいじゃないの♪久々のチビヒマを堪能させてようぅ」

ミズキが吹っ飛んでいった様を見送った彼女は…
ナルトに甘えるように頬を摺り寄せながら、ナルトの見えない角度で嫌などす黒い笑みを零した。

絶対、ワザとやったに違いない。


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~翌朝~

「あれ?ミズキ先生?!」
「ああ、イルカ先生。」
「ど、どどどどうなされたんですか、その傷?!」

すると彼は苦笑いした。

「忍術のトレーニングを行ったら失敗して事故ってしまいまして。」

もちろん、そんな事は嘘だった。

昨日のナルトとカズハに巻き込まれ、熊に当たり、その熊に投げ飛ばされ、木に引っかかり、なんとか降りたら蜂の巣をつぶしていて、そいつらの怒りを買った。

あわてて隠れた湖ではネッシーらしき怪物に追い掛け回され
やっとのことで逃げてきて、そのまま家へ帰宅したのだった。

「だ、大丈夫なんですか?今日の授業は体術もありますが…」

恐る恐る聞いてくるイルカに苦笑いしつつ、平気だと伝える。

「しかし…」
「心配しすぎですよイルカ先生。しかし、そうですね…組手のときに一旦、木の葉病院まで行かなければいけませんので臨時に入ってくれれば助かるんですが…」
「ああ、それならお安いご用ですよ。」

その言葉を聞き、助かりますと言いながらイルカと別れたミズキはとても疲れたような、悲しいような笑いをした。

「悪いなイルカ。俺はもう後には引けないんだ。」

良心を捨て、友を捨て俺は…やるんだ。俺の夢のために…

そう、何を隠そう、彼は雲隠れの忍びと内通していた。いや、運悪く捕まり、スパイをするという条件とともに、命拾いしたのだった。しかし、今回は相手が力が欲しいと言ってきた。

「よりにもよって、人柱力を交換に俺の自由と賞金を渡すなんて…」

運が無いにもほどがあるだろ俺。

彼は知っていた。イルカがナルトのことを自分の子のように、大切にしていること。カズハという忍びが護衛しているという事。しかし、それでも彼には諦めきれない目標が、夢があった。

「勝負は、卒業試験のときだ…!」
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