このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

FF7BC

◼︎上手な休暇の使い方



「レノさん、休日は何をしているんですか?」

後輩の質問に、レノは少し考える。

「休みの日か…てきとーに寝てるとかだな」

休暇は完全に仕事をシャットアウトして、ゆっくりするのが常だ。

「寝ている、ですか」

答えに納得していない様子で、考え込む後輩。

「なんだよ急に」
「…休暇に、何をしたらいいんだろうって思って」
「女子ならショッピングとか、カフェがどうこうとか、そういうかんじなんじゃないのかよ、と」

レノが思いつく限りの、女子っぽい休日の過ごし方を提案してみる。

「彼女にもそう言われたんですが」

彼女とは、この後輩が仲のいい同期のお嬢様を指しているのだろう。

「こう、社会人になったので、年相応のことをして見たいなと思ったんですが…あまりそういうのしたことがないので、どうしたらいいかわからなくて」

困った表情の後輩を眺める。
真面目が故に、学校時代は休暇中も勉学に励んでいたであろうと、容易に想像がつく。
この後輩は、遊び方を知らないのだ。
溜まってしまった未消化の休暇を使うようにとツォンから言われても、それは困るだけだろう。

「ふーん」

言いながら、レノがニヤニヤと笑う。

「なんですか?」

なにか悪巧みを思いついた時の顔に警戒して少し硬くなる後輩が、レノに聞く。
ニッと笑い、レノは後輩の耳に口を寄せる。

「デート、しようぜ」
「へ!?」

突然のことに、耳を抑えて後ずさる。
顔が真っ赤になっている。
そんな様子の後輩を見て笑いながら、レノが言う。

「休日の上手な使い方を俺が教えてやるぞ、と」
「でも、レノさんのせっかくの休暇が…」

やや強引とも思うが、放っておいたら、休暇中掃除とか勉強で過ごすとか、下手したら休暇なのに出勤してきそうだ。

「先輩が一肌脱いでやるっていってんだ、まかせとけ、と」
8/27ページ