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◼️おねえちゃん



「本部より各局。ただいまより無線のチェックを行います」

そうアナウンスを行い、各局へ個別に発信をする。
ツォンさんOK、先輩たちOK…とベースステーションシステムの前に座ったイリーナは、一覧表にチェックを入れていく。

次は、D局。
久しぶりに話す相手、そして一緒に仕事をしたいななんて、ちょっとだけ思っていた相手だ。
イリーナは、コマンドマイクを握り直す。
送話ボタンをぐっと押し込む。

「こちらイリーナ。姉さん、感度はどう?」
『こちらデルタ、感明よし。おくれ。』

姉からの返答は、軍事学校で嫌という程叩き込まれた規則に則ったものだった。

「…こちら本部。感明よし、おわり。」

あくまで業務連絡。
お仕事だから、まあそうだよね。
そう思いながら無線を切ったのと同時に、携帯が震えてメールの受信を知らせる。
別の局、姉と同じく非公開で行動をするタークス達の無線状態の点検を行いながら、イリーナは通知画面を見る。

“イリーナ、がんばれ。すごくかっこいいよ。”

思わず顔がほころぶ。
お姉ちゃんからのメール、あとで画像保存しよう。

コマンドマイクを握り直して、送話ボタンを押す。

「こちら本部。
各局、ただいまより時刻規制を実施します。
時、0745。
30秒前…5、4、3、2、1、今、1、2、3。
時0745、時刻規制終わります。
0830を以って行動を開始してください。おわり。」

送話を終えて、コマンドマイクを置く。
よし、がんばるぞ!
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