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FF7BC

◼️control




「いてて…」

伸びをするとからだのあちこちが痛み、思わず口をついて言葉が出た。

「レノさんは、突進しすぎだと思います」

その様子を見て、操縦桿を握った新人が言う。
サラサラと流れるような金の髪に、ヘッドセットの黒が映える。

「そりゃあお前がきっちり援護してくれるって信頼してるからだぞ、と」
「援護はします。でも…」

新人の言わんとすることは、わかる。

「まあまあ。任務は完了したし、いいじゃないの」
「危うく失敗するところでした」

いつになく食い下がる新人。

「まじめちゃんめ」

ちょっとおもしろくなって、言う。
口元がニヤつくのが自分でもわかる。

「わたしが真面目なら、レノさんは大真面目です」

言われた新人の顔も一瞬緩む。
ヘッドセットを通して小さい笑いが聞こえた後、あからさまに作った表情で新人がツンとそっぽを向いた。
レノはいよいよ面白くなる。

「俺のこと好きなくせに、と」
「ええ、好きですよ」

動揺すると思ったのに、新人からは意外な返答。

「お?」
「レノさん、目標が見えました」

そう言う新人は、いつものまじめな表情だ。

「え、ちょ」
「You have control」

操縦を委ねられる。

「…I have」

ヘリは、目標に向けて降下を始めた。
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