MOMENTS
むーっ……
2024/04/19 00:23健全
♦ナルヒナ前提ナルネジ (ネジ生き返りif)
♦家の中、ヒナタと子供が居るところで……
♦不倫
以上のことが地雷な方は読まない方がいいです。
そういう傾向が好きな方はどうぞ。
読んでみる!⠀
「なーに怒ってんだってばよ……」
「…怒ってはいない」
「怒ってんじゃねーかよ」
久しぶりに忙しいナルトも揃って一家団欒の夕食後だというのに、ネジはなぜだか不機嫌だった。
最近はめっきり見なくなっていたネジの、むくれっ面。
年齢よりも大人びた表情をすることの多い彼が、こういう顔をするのは滅多にないことだ。
18歳なんて、昔は大人だと思っていたけど全然違う。
ほんの少しあどけなさの残る頬の輪郭や目元は、やはり着実に歳を重ねてきた自分たちとは全然違う。
(…考えてみれば『おじさん』なんて呼ばれていても、自分らの子供と差程、歳も変わらないんだよなァ……)
テーブルに片方、頬杖をついて目を背けたままむくれるネジを、ナルトは正面からまじまじと見つめる。
「…手、繋いでいたそう…だな。オレの目の前で……」
「手……? 何の話だってばよ」
ふいに、ぼそっとネジが話した内容には、まるで心当たりがなく、ナルトは困惑した。
「ヒナタ…様と……、手を……」
はっきり言って、ヒナタと手を繋いだりしたのはもう何年前のことなんだか、思い出せないぐらいだった。
ましてや、ネジの目の前でした覚えもなく。
「そんなことしてねーっての」
「聞いたぞ、戦争中……。オレが死んだあとのこと」
「…あ、」
そんな十数年も前の出来事のことだとは思わなかった。
ナルトは少し思案して、ようやく鮮明に思い出してからネジの言わんとすることを理解した。
「……ああ。あの時のこと、か……」
「やはり、本当のことだったのか……」
「ああ。確かに、ヒナタと手を繋いだな、お前の前で」
「別に、それが悪いことではないのは解っている。お前にとってそんな昔のことを責めるつもりはない、ただ……」
そこまで言いかけて、ネジは黙ってしまった。
ああ、幼かったむくれっ面に、少し陰りが。
先程までは、そんな顔も可愛いと思えていたが、今はそんな気持ちもどこへやら。
ネジが言いかけた、言いたいことはわかる。
あの時、死んでまで告白まがいのことをしたというのに、なんでだよっていう少し恨みがましい気持ちもあったりするのかもしれない。
直接謝られてもネジは、そんなことは望んでいないと知っているから謝ったことはない。
だが、ナルトは本当のところ今日までずっとずっとネジを死なせたことで、自責の念に駆られている。
日向を変えてやる、という約束。
その場の勢いと挑発だったとはいえ、ネジが生きているうちに約束を叶えてやれなかった。
生きていたら日向を変えようと尽力するネジに、当然、自分も力を貸すつもりでいたというのに。
仲間を護りきれず、ネジを死なせてしまった。
だから、幸運にも生き返ってきてくれた今。
ナルトは、そんな自分なんかのために好意を寄せてくれるネジを無碍にすることなど、到底できるはずもなく。
今度こそネジを幸せにできるのは自分しかいないんだと、そんなことを本人から言われてしまってはナルトはもう、そうするほかない。
だが罪滅ぼしのつもり、なんかではない。
そう思われても、仕方の無い関係なのかもしれないが。
「…なにをしたら、機嫌直してくれるんだってばよ……」
でも、気づいたら。
ネジのことを知っていくうちにナルトは、ちゃんと彼のことを好きになっていた。
死を持って告白されて、そうして彼を失って、それでもまだ気づかずにいて、体を繋げて、ようやく理解した。
「…オレにも、今ここで同じことを、してくれ……」
すぐ横のソファーではヒマワリがお人形遊びに夢中。
二階ではボルトが恐らくゲームでもしているだろう。
対面式キッチンでは、ヒナタが洗い物をしている。
リビングダイニングには、いま二人きり。
テーブル下で、こっそりとネジの手を握った。
ほんの一瞬。
妻が冷蔵庫を開けてこちらに背を向けたその隙に……。
キスをしながら────
THE END
家庭の平和を脅かす夫の後輩女子社員ならぬ歳下ネジ🤍
♦家の中、ヒナタと子供が居るところで……
♦不倫
以上のことが地雷な方は読まない方がいいです。
そういう傾向が好きな方はどうぞ。
読んでみる!⠀
「なーに怒ってんだってばよ……」
「…怒ってはいない」
「怒ってんじゃねーかよ」
久しぶりに忙しいナルトも揃って一家団欒の夕食後だというのに、ネジはなぜだか不機嫌だった。
最近はめっきり見なくなっていたネジの、むくれっ面。
年齢よりも大人びた表情をすることの多い彼が、こういう顔をするのは滅多にないことだ。
18歳なんて、昔は大人だと思っていたけど全然違う。
ほんの少しあどけなさの残る頬の輪郭や目元は、やはり着実に歳を重ねてきた自分たちとは全然違う。
(…考えてみれば『おじさん』なんて呼ばれていても、自分らの子供と差程、歳も変わらないんだよなァ……)
テーブルに片方、頬杖をついて目を背けたままむくれるネジを、ナルトは正面からまじまじと見つめる。
「…手、繋いでいたそう…だな。オレの目の前で……」
「手……? 何の話だってばよ」
ふいに、ぼそっとネジが話した内容には、まるで心当たりがなく、ナルトは困惑した。
「ヒナタ…様と……、手を……」
はっきり言って、ヒナタと手を繋いだりしたのはもう何年前のことなんだか、思い出せないぐらいだった。
ましてや、ネジの目の前でした覚えもなく。
「そんなことしてねーっての」
「聞いたぞ、戦争中……。オレが死んだあとのこと」
「…あ、」
そんな十数年も前の出来事のことだとは思わなかった。
ナルトは少し思案して、ようやく鮮明に思い出してからネジの言わんとすることを理解した。
「……ああ。あの時のこと、か……」
「やはり、本当のことだったのか……」
「ああ。確かに、ヒナタと手を繋いだな、お前の前で」
「別に、それが悪いことではないのは解っている。お前にとってそんな昔のことを責めるつもりはない、ただ……」
そこまで言いかけて、ネジは黙ってしまった。
ああ、幼かったむくれっ面に、少し陰りが。
先程までは、そんな顔も可愛いと思えていたが、今はそんな気持ちもどこへやら。
ネジが言いかけた、言いたいことはわかる。
あの時、死んでまで告白まがいのことをしたというのに、なんでだよっていう少し恨みがましい気持ちもあったりするのかもしれない。
直接謝られてもネジは、そんなことは望んでいないと知っているから謝ったことはない。
だが、ナルトは本当のところ今日までずっとずっとネジを死なせたことで、自責の念に駆られている。
日向を変えてやる、という約束。
その場の勢いと挑発だったとはいえ、ネジが生きているうちに約束を叶えてやれなかった。
生きていたら日向を変えようと尽力するネジに、当然、自分も力を貸すつもりでいたというのに。
仲間を護りきれず、ネジを死なせてしまった。
だから、幸運にも生き返ってきてくれた今。
ナルトは、そんな自分なんかのために好意を寄せてくれるネジを無碍にすることなど、到底できるはずもなく。
今度こそネジを幸せにできるのは自分しかいないんだと、そんなことを本人から言われてしまってはナルトはもう、そうするほかない。
だが罪滅ぼしのつもり、なんかではない。
そう思われても、仕方の無い関係なのかもしれないが。
「…なにをしたら、機嫌直してくれるんだってばよ……」
でも、気づいたら。
ネジのことを知っていくうちにナルトは、ちゃんと彼のことを好きになっていた。
死を持って告白されて、そうして彼を失って、それでもまだ気づかずにいて、体を繋げて、ようやく理解した。
「…オレにも、今ここで同じことを、してくれ……」
すぐ横のソファーではヒマワリがお人形遊びに夢中。
二階ではボルトが恐らくゲームでもしているだろう。
対面式キッチンでは、ヒナタが洗い物をしている。
リビングダイニングには、いま二人きり。
テーブル下で、こっそりとネジの手を握った。
ほんの一瞬。
妻が冷蔵庫を開けてこちらに背を向けたその隙に……。
キスをしながら────
THE END
家庭の平和を脅かす夫の後輩女子社員ならぬ歳下ネジ🤍