SSS
拠点へ到着
2023/04/13 16:502人旅
カタチが同じ色とりどりのドアが並ぶ廊下を歩き、ヨミエルは水色のドアの前で立ち止まった。ロビーで受け取ったカギを取り出してかぎ穴に入れ、回す。
そっとドアノブを押すと部屋に入り、片手で持っていた黒いキャリーケースを床に下ろした。
「着いたぜ。ココがオレたちの拠点だ」
ヨミエルがキャリーケースを開けると、シセルがゆっくりとアタマを出した。キケンがないか辺りを確認し、慎重に前足を踏み出す。
部屋の中心に鎮座するふかふかで大きなベッドや、サイドテーブルに置かれたカラフルに彩られたランプ。その横の黒いデンワはいつでも使えるようにピカピカに磨かれている。小さいイスには座りやすそうなクッションがあり、カベには絵が飾られている。どれもシセルの気を引くのには充分だ。
(コレなら少しぐらいアヤツってもコマらないだろうな)
シセルがバスルームの中まで入って広さを確かめていると、ヨミエルは運び入れた赤いキャリーケースを開けて、中身を整理し始めた。洋服に、充電器などの小物類、それに弁当だ。
「まずは腹ごしらえだな。弁当を食べるのにちょうどいい場所があるんだ」
「そいつはいいな。早速出かけるとしようか」
シセルはシッポをピンと立てると、ヨミエルの足にすり寄った。実は言うと、弁当から漏れ出すニオイがずっと気になっていたのだ。確実に、好物が入っている。その予感にシセルのシッポが小刻みに揺れ、それを見たヨミエルは笑っていいニオイのする弁当を持ち上げた。
そっとドアノブを押すと部屋に入り、片手で持っていた黒いキャリーケースを床に下ろした。
「着いたぜ。ココがオレたちの拠点だ」
ヨミエルがキャリーケースを開けると、シセルがゆっくりとアタマを出した。キケンがないか辺りを確認し、慎重に前足を踏み出す。
部屋の中心に鎮座するふかふかで大きなベッドや、サイドテーブルに置かれたカラフルに彩られたランプ。その横の黒いデンワはいつでも使えるようにピカピカに磨かれている。小さいイスには座りやすそうなクッションがあり、カベには絵が飾られている。どれもシセルの気を引くのには充分だ。
(コレなら少しぐらいアヤツってもコマらないだろうな)
シセルがバスルームの中まで入って広さを確かめていると、ヨミエルは運び入れた赤いキャリーケースを開けて、中身を整理し始めた。洋服に、充電器などの小物類、それに弁当だ。
「まずは腹ごしらえだな。弁当を食べるのにちょうどいい場所があるんだ」
「そいつはいいな。早速出かけるとしようか」
シセルはシッポをピンと立てると、ヨミエルの足にすり寄った。実は言うと、弁当から漏れ出すニオイがずっと気になっていたのだ。確実に、好物が入っている。その予感にシセルのシッポが小刻みに揺れ、それを見たヨミエルは笑っていいニオイのする弁当を持ち上げた。