SSS
飛行機にて
2023/04/05 16:292人旅
カウンターで真っ赤なスーツケースを預け、ヨミエルはシセルが入った真っ黒なキャリーケースを片手に歩く。搭乗手続きを済ませて飛行機に乗り込み、クビにスカーフを巻いたキャビンアテンダントの指示通りにキャリーケースを足元に置いて、待つことしばし。予定時刻通り、ヨミエルの乗った飛行機は轟音を上げて空へと飛び立った。
さて。相棒の様子はどうだろうとヨミエルがキャリーケースに手を入れると、まんまるな瞳をさらにまんまるくして、シッポを膨らませたシセルが“コア”を通じて話しかけてきた。
「な。何だったのだ、さっきの振動は…」
「飛行機が離陸するための助走さ。今は空の上だよ」
「空の上……」
「シセルは飛行機は初めてだったな。いいか。ブジに目的地にたどり着きたかったら《死者のチカラ》は使わないコトだ。特にエンジンとツバサにはトリツかないようにな」
「…そこまで言うというコトは、何か大変なコトが起こるのだろうか」
「モチロンだ。もし、アヤツった場合…エンジンとツバサによって飛ぶ飛行機のバランスが崩れ、墜落するコトになる」
「あっという間にたくさんの《死》が生まれてしまうというワケか…。そうならないように気を付けよう」
そう答えるとシセルはキャリーケースの中で丸く座り直した。どうやら目的地まで眠って過ごすらしい。
「そうだな。オレは…雑誌でも読んでいるか。着いたらちゃんと起こすよ」
ヨミエルは目を瞑ったシセルのアタマをひと撫ですると、キャリーケースのフタを閉じ、前の座席から雑誌を抜き取った。目的地まで、あと少し。ぺらりとページをめくったヨミエルは、次の予定を考えるのであった。
さて。相棒の様子はどうだろうとヨミエルがキャリーケースに手を入れると、まんまるな瞳をさらにまんまるくして、シッポを膨らませたシセルが“コア”を通じて話しかけてきた。
「な。何だったのだ、さっきの振動は…」
「飛行機が離陸するための助走さ。今は空の上だよ」
「空の上……」
「シセルは飛行機は初めてだったな。いいか。ブジに目的地にたどり着きたかったら《死者のチカラ》は使わないコトだ。特にエンジンとツバサにはトリツかないようにな」
「…そこまで言うというコトは、何か大変なコトが起こるのだろうか」
「モチロンだ。もし、アヤツった場合…エンジンとツバサによって飛ぶ飛行機のバランスが崩れ、墜落するコトになる」
「あっという間にたくさんの《死》が生まれてしまうというワケか…。そうならないように気を付けよう」
そう答えるとシセルはキャリーケースの中で丸く座り直した。どうやら目的地まで眠って過ごすらしい。
「そうだな。オレは…雑誌でも読んでいるか。着いたらちゃんと起こすよ」
ヨミエルは目を瞑ったシセルのアタマをひと撫ですると、キャリーケースのフタを閉じ、前の座席から雑誌を抜き取った。目的地まで、あと少し。ぺらりとページをめくったヨミエルは、次の予定を考えるのであった。
コメント
- tlkszfvxh (非ログイン)2023/12/23 02:47
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