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小さな女の子と刑事さん

2024/04/15 21:11
「ねえねえ、おじさん。あたしね、フシギなコトと出会ったの」
「へえ。どんなコトがあったんだい?」
「公園でお母さんと一緒におイモを焼いた時ね。あたし、嬉しくてお母さんに見せてあげようと駆けていったんだけど、転んじゃったんだ」
「それは大変だったな。痛かっただろう」
「うん。おヒザが痛いしおイモも転がって行っちゃって、泣きたかったんだけど、ガマンしたの。そしたらね、おイモがひとりでにあたしの方にコロコロと転がってきたのよ!」
「それはフシギだなあ。他にダレかいたのかい?」
「ううん。おかあさんは見てなかったし触ってないって。どうしてだろうね」
「…もしかしたら。キミの元に親切なユーレイがいたのかもしれないな。泣かなかったキミを助けたくなったんだろう」
「ユーレイ?おじさんには見えるの?」
「ああ。コマッてるヒトを見かけると助けずにはいられないヤツを知ってるな」
「ふうん。あたしもそのユーレイさんとお話したいな」
「カレもそう思っているかもしれないな。…リンネ。キミが“運命”を探し求めるのなら、カレも応えてくれるだろう」

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