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食べ物のウラミ

2024/02/12 17:39
「ヨミエルさん、聞いてくださいよ。この前、あたしが大切に取っておいたプリンが食べられちゃったんです」
「それは災難だったな、リンネ刑事。そのプリンに名前は書いておかなったのかな?」
「書いておいたんですけど、警察署のダレでも使える冷蔵庫に入れておいたんですよ。ひと仕事終えたら食べようと思ってたのに、気づいたらもう…」
「字が“読めない”食いしん坊の腹の中ってワケか。シセルだったら、そのぐらいわかるようになったんだがな」
「…今。呼ばれた気がしたのだが」
「シセル、そこにいたのね。もー!あなたがアヤツって食べるのを阻止してくれたらよかったのに!」
「ムチャを言わないでくれ。その場で私にできるコトと言ったら、せいぜいひっくり返すぐらいだ」
「それでも何もしないよりマシよ。ヨミエルさんもそんなコトってありませんか?」
「…そう言えば。この前、カバネラ警部にクッキーを勝手に取られたな」
「クッキーというと…サクサクで、バターのいいニオイがするお菓子か」
「そうだ。いい出来だと妻のシセルが待たせてくれたんだが…食べられた瞬間。ここにキミがいれば、警部さんを転ばせられるのにと思ったな」
「わかります!ヒトの楽しみを取ったらそれ相応の罰があればいいんですよ」
「マッタクだ。死なない程度の加減は必要だが、容赦なくやってほしいモンだな。次があったら頼んだぜ、シセル」
「(ヨミエルの思考がリンネに似てきた気がするな…)」

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