2章:解らぬ事ばかりが増えていく
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飛行機の準備が整うまでの間、ラウンジ内で好きに飲み食いして自由に過ごしてくれとレノックス大佐は告げると自身はウェイターに何かを注文する。
若葉も何か飲もうと思ったのだがラウンジにあるお茶などは高級そうで、なんだか自分のような小娘が飲んで良いとは思えなかった。
レノックス大佐と母は再び英語で何やら世間話を始めており、時折2人から意味深な視線が自分へと向けられ、きっと自分の話をしているんだろうなぁと感じ取った若葉はなんとも居たたまれない気持ちになる。
「母さん。私ちょっと喉渇いたから飲み物買ってくる」
「あら?大抵の飲み物は用意できるわよ?」
ニコニコと微笑みながらメニューを差し出してきた母の言葉に若葉は顔を引きつらせながら答える。
「あー・・・メニューにはないかな?さっき見た自販機にあったから買ってくるね」
「そうなの?ならしかたないわね」
フワリと微笑んだ母は鞄から財布を取り出そうとしたのを見た若葉は慌ててその手を止める。
こういった事に対処できるように今までバイトをしてきたのだと若葉は思いながら母に向かい話しかけた。
「自分で払うから必要ないよ」
「でも」
「良いから。あの自販機の近くに居るから何かあれば声をかけてね」
少し強い口調で母の言葉を遮った若葉はレノックスへと会釈をしてその場から離れると、すぐ近くにあった自動販売機で缶コーヒーを購入した若葉は一口それを飲むとホッと息を吐き出す。
「色々な事が一度に起こりすぎでしょ」
疲れたような口調で若葉は呟くと近くに椅子に座る。
母は相変わらずレノックスと話し込んでいて若葉の方に視線を向けてくることはない。それを良いと思う反面、ジリジリと自分へと向けられる何かの気配を感じ取った若葉は一瞬だけその方向へと視線を向けた。
そこに居たのは屈強な男達だ。
若葉から付かず離れずの距離に居る男達はの存在はレノックスと出会ってからずっといる。その正体がレノックスと同じ軍人である事くらい若葉は解っていた。
若葉の一挙一動を少しも見逃さないと言うかのような雰囲気をしており、その凄まじい気迫から周りの人達が何事だと言うかのような顔をして見つめてきている。
「(まるでSPみたいだなぁ・・・ってかなんで私達のお迎えにアメリカの軍人が来るわけ?それも大佐クラスの人間が来るなんて可笑しいよね)」
少しの危害も二人には加えてはならないというかのように、彼等は母と若葉を守るかのようにさり気ない位置に立っているのだ。
そもそもアメリカに行くことの前提が可笑しすぎるのだと思いながら若葉は味気ない缶コーヒーを飲む。
パスポートも滞在場所も気にすることは無いという時点で明らかに怪しいし、こうしてアメリカの軍人が絡んできている時点で何かがヤバい事が含まれているという事を疑うべき展開だっただろうと思いながら若葉は冷たい金属の缶を両手で握った時だ。
警戒するかのような殺気だった視線とは少しばかり異なる視線を感じた為、その方向へと視線を向ければ小学校低学年くらいの子供がこちらを見ていた。
若葉と目が合った瞬間、子供はしまったと言うかのように顔を歪める。
「(迷子?)」
ジッと子供の様子を見ていると、子供がある人物をチラチラと見ていることに気づく。
その人物とは母と話をしているレノックス大佐だ。
しきりに彼の事を気にしていることから、恐らくレノックスの関係者なのだろうなと判断した若葉は苦笑を浮かべると自分の唇に人差し指を添えた。
それを見た子供が驚いたように目を見開いたのが見えた若葉は大丈夫だというかのように頷いた瞬間、何かに気づいたらしい子供は慌てた様子で近くの物陰に隠れてしまう。
「若葉ちゃん。飛行機の用意が出来たみたいだから行きましょう?」
「あ、うん。解った」
子供が居た場所へと再度視線を向けた若葉だったが、そこには誰も姿も見つけられず、少しばかりの寂しさを感じつつも若葉は搭乗口へと向かった。
若葉も何か飲もうと思ったのだがラウンジにあるお茶などは高級そうで、なんだか自分のような小娘が飲んで良いとは思えなかった。
レノックス大佐と母は再び英語で何やら世間話を始めており、時折2人から意味深な視線が自分へと向けられ、きっと自分の話をしているんだろうなぁと感じ取った若葉はなんとも居たたまれない気持ちになる。
「母さん。私ちょっと喉渇いたから飲み物買ってくる」
「あら?大抵の飲み物は用意できるわよ?」
ニコニコと微笑みながらメニューを差し出してきた母の言葉に若葉は顔を引きつらせながら答える。
「あー・・・メニューにはないかな?さっき見た自販機にあったから買ってくるね」
「そうなの?ならしかたないわね」
フワリと微笑んだ母は鞄から財布を取り出そうとしたのを見た若葉は慌ててその手を止める。
こういった事に対処できるように今までバイトをしてきたのだと若葉は思いながら母に向かい話しかけた。
「自分で払うから必要ないよ」
「でも」
「良いから。あの自販機の近くに居るから何かあれば声をかけてね」
少し強い口調で母の言葉を遮った若葉はレノックスへと会釈をしてその場から離れると、すぐ近くにあった自動販売機で缶コーヒーを購入した若葉は一口それを飲むとホッと息を吐き出す。
「色々な事が一度に起こりすぎでしょ」
疲れたような口調で若葉は呟くと近くに椅子に座る。
母は相変わらずレノックスと話し込んでいて若葉の方に視線を向けてくることはない。それを良いと思う反面、ジリジリと自分へと向けられる何かの気配を感じ取った若葉は一瞬だけその方向へと視線を向けた。
そこに居たのは屈強な男達だ。
若葉から付かず離れずの距離に居る男達はの存在はレノックスと出会ってからずっといる。その正体がレノックスと同じ軍人である事くらい若葉は解っていた。
若葉の一挙一動を少しも見逃さないと言うかのような雰囲気をしており、その凄まじい気迫から周りの人達が何事だと言うかのような顔をして見つめてきている。
「(まるでSPみたいだなぁ・・・ってかなんで私達のお迎えにアメリカの軍人が来るわけ?それも大佐クラスの人間が来るなんて可笑しいよね)」
少しの危害も二人には加えてはならないというかのように、彼等は母と若葉を守るかのようにさり気ない位置に立っているのだ。
そもそもアメリカに行くことの前提が可笑しすぎるのだと思いながら若葉は味気ない缶コーヒーを飲む。
パスポートも滞在場所も気にすることは無いという時点で明らかに怪しいし、こうしてアメリカの軍人が絡んできている時点で何かがヤバい事が含まれているという事を疑うべき展開だっただろうと思いながら若葉は冷たい金属の缶を両手で握った時だ。
警戒するかのような殺気だった視線とは少しばかり異なる視線を感じた為、その方向へと視線を向ければ小学校低学年くらいの子供がこちらを見ていた。
若葉と目が合った瞬間、子供はしまったと言うかのように顔を歪める。
「(迷子?)」
ジッと子供の様子を見ていると、子供がある人物をチラチラと見ていることに気づく。
その人物とは母と話をしているレノックス大佐だ。
しきりに彼の事を気にしていることから、恐らくレノックスの関係者なのだろうなと判断した若葉は苦笑を浮かべると自分の唇に人差し指を添えた。
それを見た子供が驚いたように目を見開いたのが見えた若葉は大丈夫だというかのように頷いた瞬間、何かに気づいたらしい子供は慌てた様子で近くの物陰に隠れてしまう。
「若葉ちゃん。飛行機の用意が出来たみたいだから行きましょう?」
「あ、うん。解った」
子供が居た場所へと再度視線を向けた若葉だったが、そこには誰も姿も見つけられず、少しばかりの寂しさを感じつつも若葉は搭乗口へと向かった。