Episode.4
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Episode.4 困惑
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静寂の中で電子音が、一定の間隔で鳴り響いていた。
医務室。コーネリアで倒れていたのを発見されサルガッソーのコロニーまで連れ帰られたランスが、意識の戻らない状態から丸1日が経過していた。
「──で、これは一体どういう事なんだパンサー?」
ウルフが大きく溜息を吐いて、パンサーに訊ねた。
「どういう事も何も、見たら分かるだろう? 俺が見つけた時にはもうこのザマだったさ」
パンサーは両手を広げて肩を竦めた。
彼がなかなか戻らないランスを心配し捜索した所、コーネリアの路地裏で倒れた彼女を発見したのだ。
「全く。一人で出歩く時は十分に気を付けろと、あれほど言ってきたのにこの有り様とはな。やはり私の傍に置いておくべきだったか」
「お前の傍に置くぐらいなら俺様の傍に置く。レオン、若干だが何か良からぬ事を企んでやがるな」
「……ククク。ウルフには私の考えはお見通しか。さすが、付き合いが長いだけはある」
「お前が純粋にコイツの心配をすると思えねえからな」
「失敬な。これでもランスの保護者として心配はしている。確かに純粋に、とは言えないがな」
妖艶な微笑にウルフは苦笑で返す。
レオンはライラット系でもトップクラスの敏腕スナイパーだ。
その精細な技術はパイロットとしても申し分の無い実力を持っている。
だが、この妖しい笑みに声音。
そして生物の、死に怯える表情と血を見るのが何よりも好きという性格に、ウルフも信頼はしているもののどうにも理解出来ない点はあった。
そんな彼もランスには愛情というものがあるのか、随分と可愛がっている様子をよく見る。
何故なのかウルフには分からなかったが、共にうちにそれが普通になってしまっていた。
「でも、どうして彼女がこんな酷い目に遭わないといけなかったんだ?」
「……ランスは普段、このコロニーを護る命を司った番人。我々に比べれば知る者など数少ないはずだが」
「つまりはこのコロニーに来て追い払われた者の復讐、という訳かい?」
「だが何故ピンポイントに左眼を奪う必要がある? 復讐であれば、もっと確実に殺れる所を狙うだろうが」
「確かに……」
「左眼に、何かがあったか」
一同は暫く沈黙した。