Episode.4
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「う、んん……」
電子音に混じって弱々しい声が三人の耳に入った。
その声に振り向き、彼女に注目する。
ランスが、意識を取り戻したのだ。
「おはよう、お嬢さん」
パンサーが穏やかな笑みで言った。
「……誰……」
「おやおや、ショックで忘れてしまったのかな? 私は君の恋ぶぃ──」
言いかけた手前、パンサーのキザな台詞が中断される。レオンが彼の頬をナイフの柄で押さえて邪魔をしたのだ。
「あれほど気を付けろと言っただろう。もう一人で出歩かせぬからな」
「……ごめんなさい」
レオンの言葉にしょんぼりするランス。その横で手招きのような仕草でパンサーが横入りする。
「あの~、レオン? 邪魔しないで欲しいんだけど?」
不満そうなパンサー。しかしレオンは彼を睨み付けて言った。
「貴様ごときがランスの恋人を名乗るなど、100万年早い」
「100万年って随分先過ぎない?」
「下心が丸見えているからだ」
「ちょっと。それは聞き捨てならないなあ?」
二人が揉めているのをぼんやりと眺めている彼女に、ウルフが反対側から話し掛けて来た。
「気分はどうだ」
「……じわじわ痛むかな……あとは、見えづらい」
「両目から突然片目になるとそう感じるもんだ」
ウルフも隻眼の身である。もしかしたら彼もそうであったのか。そう思うと少し、安心した。
「とにかく無理はするな。出来る事は手伝う」
「ありがとう」
それから小さく息を吐くと、ウルフは静かになあ、と呟いてから耳許で囁いた。
「俺が思うに被験体関連、だろう?」
思わず目を見開く。
彼はマニュアルデータの在処まで、知っていたのだろうか。
その様子から察したらしい。ランスから離れて、ウルフは続ける。
「フン、やはりな。回復し次第また話す。それまではゆっくりしていろ」
行くぞ、と二人を扉まで促して、ウルフは医務室を後にした。