真の歴史へ

1時間後…

げっそりとした令子と西条が、オカルトGメンのソファーにグッタリしていた

小さな令子はベビーシッターの女性にあやされて、なんとか落ち着いている

小さな令子を落ち着かせるのは西条や令子では不可能であった

散々オモチャやおやつを与えても全然ダメで、西条がベビーシッターを呼んでようやく落ち着いている


「あれが私になるなんて…」

令子は小さな自分を見てショックを受けている


「子供はみんなあんなもんだよ」

西条は苦笑いしているが…

(人の話を聞かないところとか、ワガママなところは今の令子ちゃんと同じだな…)

西条は内心納得している


未来の時は、横島とおキヌの子供好きな人が居たため良かったが

西条と令子ではどうしょうも無かった



そして、そんな2人の様子を覗いてる横島達は…


(美神さんと西条じゃ、ダメなんだな…)

横島は笑いをこらえて、ルシオラ達に念話で話す


(美神さんが2人なんて、この世の地獄ね)

(横島さんの凄さがよくわかりますね~ あんな人と一緒に居て支えてたなんて…)

ルシオラは想像しただけで嫌そうに画面を見つめ、小竜姫は横島に感心している

なまじ未来を知るルシオラや小竜姫は、未来と現在の令子を比べてしまう為、いかに横島が重要な存在だったか改めて感じている


(美智恵は西条さんを横島の代わりにするつもりね…)

タマモは予想通りとはいえ、腹黒い美智恵にため息をつく


(西条は立場が立場だからな~ 未来のようにやっぱり西条に一番しわ寄せが行くな…)

横島は、未来で自分が令子と縁を切った後を思い出し、苦笑いしそうになる


(未来での横島さんの分の苦労が西条さんに向かってますからね…)

(仕方ないわよ。 西条さんが自分で美神さんを気に入ってるんだから…。 まあ、未来のようによほど追い込まれなければ、見限ることも無いでしょうしね)

小竜姫は西条のこれからを考えると少し同情している


一方ルシオラは現在の西条なら仕方ないと考える

横島達にとっては誰かが令子を支えた方が都合がいい

令子には魂の結晶の問題もあるため、下手に死んだりしても困るのだ


ベスパ、パピリオ 
 
2人がこの世界に誕生するまでは令子が死んでは困る


魂の結晶が令子の死と共に転生すれば、アシュタロスはベスパとパピリオを誕生させない可能性もあるのだから…


(やはり問題は美智恵さんだな…)

(はい…)

(そうね…)

(ええ…)


横島の言葉に小竜姫、ルシオラ、タマモは一斉に返事をする


「私は夕食の買い物行って来ますね」

おキヌは横島達がずっと令子を監視するのなら、自分が買い物に行こうとおもった


「私も一緒にいいですか?」

小鳩も家の買い物をしようと声をかける


「ああ、行って来ていいよ」

横島が許可を出すと、2人と貧乏神は買い物に行こうとする


「あっ、私も同行します」

部屋を後にしようとする3人に小竜姫が声をかけ同行する


「4人共、気をつけてな」

横島に見送られて小竜姫達は買い物に向かう


小竜姫が同行した理由は2つ

一つはハーピーが遠くない場所にいる為護衛である

もう一つの理由は令子だ

もし、偶然でも令子がおキヌ会ってしまえば、令子は子守の為におキヌを半ば無理矢理連れて行くだろう

しかし横島達は、おキヌを危険にさらしたくない

従って、令子の口出しの出来ない小竜姫が同行したのだ


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