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真の歴史へ

『はー…、落ち着きなさい令子!』

美智恵は電話口でため息をつく


『いい、その子はあなた自身よ。 あなたには黙ってたけど、私には時間移動能力があるの… あなたがあったのは過去の私よ』

美智恵の言葉を、令子は電話口で信じられない思いで聞いていた


『そんな… 何故今まで黙ってたの?』

令子は半信半疑で美智恵に問いかける


『時間移動能力を持つ家系は魔族に狙われてるの… 私は過去に魔族からあなたを守る為に、時間移動して未来に行ったわ。 ただ、そこにも魔族が現れたはずよ。 いい、小さな令子はあなたが守りなさい。 あなたも美神家の女なら、魔族と戦って生きなければならないわ』

美智恵は強い口調で令子に語っていく


『そんな…、ママはなんでこんな大事な時期に居ないのよ!』

令子は怒りや戸惑いを美智恵にぶつける


『甘えるんじゃありません! 私はあなたを強い子に育てたはずです。 自分の危機は自分で乗り越えなさい!』

美智恵はあえて突き放した言い方をする


『…わかったわ。 ただ、帰ったら全部話してもらうからね!』

令子はひとまず美智恵の言葉に従った

いろいろ言いたいことはあるが、今は魔族から身を守るのが先である


美智恵は電話を切った後ほくそ笑んだ

「頼んだわよ。 西条君」

美智恵はそう呟き仕事にもどる


そして令子は不機嫌そうな顔で、小さな自分を見る

「全く…、ガキは嫌いなのよね」

令子は魔族よりも子守りが嫌だった

経験不足の割に自信家の令子は、魔族にはあまり臆することは無い


仮に人間が相手なら、美智恵と横島以外には負ける気は無い

美智恵は母親で強くて当然だし、横島は小竜姫の直弟子であり、普通のGSと違うと思っている

その為、相変わらず自信家なのだ


ただ、未来の令子に比べればだいぶ劣る

一番問題なのが経験不足で、次が性格である

未来でのこの時点では、メドーサやパイパーと戦っているが、今回は戦ってない

パイパーは横島達に倒されているし、メドーサは令子の顔も知らない

それに性格は横島が居ない為、冷酷非道なままなのである



「いや~、参ったよ」

西条は着替えを終えて戻ってくると、令子は不機嫌そうに小さな令子を見ている


「聞いてよ、西条さん!!」

令子は溜まった怒りとストレスを西条にぶつける

美智恵との電話を話して、西条に散々愚痴をこぼす

さすがに暴力は振るわないが、西条にはとばっちりである


「令子ちゃん落ち着いて…」

西条は令子に八つ当たりされて、引きつった顔で落ち着かせようとする


「ママは無責任よ! 何で私が戦わなきゃならないの!」

令子は美智恵には強く言えない分、西条に怒りをぶつける


「とりあえず、子供の令子ちゃんを世話して様子を見よう。 いくら魔族でもGメンのオフィスには簡単に手を出せないだろう」

西条は必死に令子を落ち着かせて機嫌をとる


しかし…

令子の大声に小さな令子が目を覚ます

小さな令子は辺りをキョロキョロ見まわす

「ギャーー!!」

小さな令子は美智恵が居ないのを確認すると、凄まじい鳴き声をあげる

「ママー!! ママはどこなのー!!」

小さな令子の鳴き声とワガママに、令子も西条も慌てるばかりで収集がつかない

「令子ちゃん落ち着いてくれ」

西条は必死になだめる


「ちょっと…、話を聞いてよ」

令子もなんとか説得しようとするが無理だった


令子と西条

この2人は共に子供が苦手である

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