麻帆良祭への道・2
一方店内では内装の取り付けとメニューや情報展示板に掲示する情報の整理が行われていた
内装の取り付けは楓や古菲や龍宮などが行い、情報の整理は朝倉や図書館探検部などが中心となり進められている
こちらはあやかや超達も情報の整理に加わっており、得意な者達だけで作業が急がれていた
「ねえ、これ何に使うの?」
そんな中で情報の仕分けを手伝っていた明日菜は、知らない農家のおじさんの写真を手に持ちに首を傾げている
正直知らないおじさんの写真に何の意味があるか分からないようだ
「それは生産者の顔を見せることで食材の安全を示すのですよ」
「そんなに気にするもんなの?」
「まあ国内産の食材は基本的に問題ないのですが、外国産はたまに問題がありますからね」
基本的に細かいことは気にしない明日菜は、何をそんなに気にするか理解出来ないようだ
一応夕映は一通り説明するが、明日菜は半信半疑といった感じである
まあ明日菜のように正直あまり理解してないまま資料を探したり纏めたりしてる者もいるが、それでも作業はなんとか進んでいく
生の食材に関しては原産地や生産者の他に旬の時期や国内の生産量と消費量を纏めるなど、まるで小学生の自由研究のような資料に仕上がっていった
加工食品に関しては企業が公開してる情報を流用するだけなので比較的簡単だったが、とにかく主要食材の種類が多いだけに一苦労である
そしてそれから数時間が過ぎて日が完全に暮れて夜空が広がった頃、横島と茶々丸の外装の取り付けはなんとか完了していた
「今夜は月が見えるな」
本来は建設用の足場も片付けなくてはならないのだが、流石に暗くなったので朝方に片付ける事にして横島と茶々丸は少し休憩している
屋根に一番近い足場の上で休憩する二人だったが、横島はふと空を見上げていた
「月が好きなのですか?」
無言で月を見上げる横島に、茶々丸は何か普段とは違うモノがあるのではと感じている
別に表情が違うとかではないが、何か表情に表れない微妙な変化を茶々丸の魂は感じていたのだ
「好きでも嫌いでもないよ。 ただ変わらぬ月を見てると昔を思い出しちゃうのかな」
突然の茶々丸の問い掛けに横島は、少し驚き苦笑いを浮かべて語っていた
基本的にガイノイドである茶々丸は表情の微妙な変化などが存在しないので、横島にとって一番読めない相手だったりする
そんな茶々丸の成長や変化は楽しみでもあるが驚きでもあるようだ
「昔ですか……」
「恥ずかしい思い出ばっかりだよ。 正直忘れちゃいたいとも思う時もあるけどな。 でも忘れちゃダメなんだ」
ちょっと苦笑いして過去に思いを馳せる横島が、茶々丸は少し羨ましいと感じていた
造られた存在でありプログラムである自分には無縁なことなのだろうと考えると、何故か寂しく感じていたしまう
「茶々丸ちゃんもいつか分かるよ」
その一言が茶々丸は素直に嬉しかった
ガイノイドである自分もいずれ過去を懐かしむような時が来るかもしれないと、微かな期待を抱ける一言だったのだから
内装の取り付けは楓や古菲や龍宮などが行い、情報の整理は朝倉や図書館探検部などが中心となり進められている
こちらはあやかや超達も情報の整理に加わっており、得意な者達だけで作業が急がれていた
「ねえ、これ何に使うの?」
そんな中で情報の仕分けを手伝っていた明日菜は、知らない農家のおじさんの写真を手に持ちに首を傾げている
正直知らないおじさんの写真に何の意味があるか分からないようだ
「それは生産者の顔を見せることで食材の安全を示すのですよ」
「そんなに気にするもんなの?」
「まあ国内産の食材は基本的に問題ないのですが、外国産はたまに問題がありますからね」
基本的に細かいことは気にしない明日菜は、何をそんなに気にするか理解出来ないようだ
一応夕映は一通り説明するが、明日菜は半信半疑といった感じである
まあ明日菜のように正直あまり理解してないまま資料を探したり纏めたりしてる者もいるが、それでも作業はなんとか進んでいく
生の食材に関しては原産地や生産者の他に旬の時期や国内の生産量と消費量を纏めるなど、まるで小学生の自由研究のような資料に仕上がっていった
加工食品に関しては企業が公開してる情報を流用するだけなので比較的簡単だったが、とにかく主要食材の種類が多いだけに一苦労である
そしてそれから数時間が過ぎて日が完全に暮れて夜空が広がった頃、横島と茶々丸の外装の取り付けはなんとか完了していた
「今夜は月が見えるな」
本来は建設用の足場も片付けなくてはならないのだが、流石に暗くなったので朝方に片付ける事にして横島と茶々丸は少し休憩している
屋根に一番近い足場の上で休憩する二人だったが、横島はふと空を見上げていた
「月が好きなのですか?」
無言で月を見上げる横島に、茶々丸は何か普段とは違うモノがあるのではと感じている
別に表情が違うとかではないが、何か表情に表れない微妙な変化を茶々丸の魂は感じていたのだ
「好きでも嫌いでもないよ。 ただ変わらぬ月を見てると昔を思い出しちゃうのかな」
突然の茶々丸の問い掛けに横島は、少し驚き苦笑いを浮かべて語っていた
基本的にガイノイドである茶々丸は表情の微妙な変化などが存在しないので、横島にとって一番読めない相手だったりする
そんな茶々丸の成長や変化は楽しみでもあるが驚きでもあるようだ
「昔ですか……」
「恥ずかしい思い出ばっかりだよ。 正直忘れちゃいたいとも思う時もあるけどな。 でも忘れちゃダメなんだ」
ちょっと苦笑いして過去に思いを馳せる横島が、茶々丸は少し羨ましいと感じていた
造られた存在でありプログラムである自分には無縁なことなのだろうと考えると、何故か寂しく感じていたしまう
「茶々丸ちゃんもいつか分かるよ」
その一言が茶々丸は素直に嬉しかった
ガイノイドである自分もいずれ過去を懐かしむような時が来るかもしれないと、微かな期待を抱ける一言だったのだから